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「サクマ式ドロップス」製造元が廃業に追い込まれた、これだけの理由:スピン経済の歩き方(6/7 ページ)
「サクマ式ドロップス」を製造する佐久間製菓が2023年1月に廃業する。廃業の理由として、同社は「コロナ」と「原材料高騰」の2つを挙げているが、本当にそうなのか。筆者は違った見方をしていて……。
廃業に追い込まれたプロセスがある
いずれにせよ、1948年に設立した同社が74年間もビジネスを続けてこられたのは、販売の落ち込みや円安による原材料高騰など幾度とあった「危機」を経営努力で何度も乗り越えてきたからだ。
「サクマ式ドロップスの製造元」として報じられるので、あたかもこのロングセラーの一本足打法でやってきたような印象を受けるかもしれないが、ここに至るまで、サクマ式ドロップス依存体質からの脱却を目指して、さまざまな新しいチャレンジや工夫をしてきたのだ。
トドメを刺したのは確かに「コロナ禍」や「原料高騰」かもしれないが、廃業する企業には廃業に追い込まれるだけのプロセスがあり、そこに逆らって生き残りを画策していた人たちの努力があるのだ。
そういうところにしっかりと目を向けないと、日本経済を弱体化させていくだけだ。
中小企業が潰れるのは、すべて原料高騰やコロナ禍のせいとなってしまうと、中小企業団体が票田の政治家が唱える経済援策は「バラマキ」しかなくなってしまう。老舗企業が潰れるのは助成金が足りないから、大企業に負けない技術を持つ町工場が閉鎖するのも補助金が足りないから……という感じで中小企業経営はバラマキを前提としたもので、国からいくら引っ張れるかが生命線になってしまう。そんな旧ソ連のような国で経済が成長するワケがない。
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