「サクマ式ドロップス」製造元が廃業に追い込まれた、これだけの理由:スピン経済の歩き方(7/7 ページ)
「サクマ式ドロップス」を製造する佐久間製菓が2023年1月に廃業する。廃業の理由として、同社は「コロナ」と「原材料高騰」の2つを挙げているが、本当にそうなのか。筆者は違った見方をしていて……。
佐久間製菓の廃業から学ぶべきこと
佐久間製菓の廃業からわれわれが学ぶべきは、「中小企業が大企業のような戦い方をしてはいけない」ということだ。大企業に負けない技術があっても資本力やネットワークがないので結局、消耗戦に疲弊して馬群に沈んでしまう。だからこそ、中小企業ならではフットワークの軽さや、ユニークでニッチな視点が必要だ。
しかし、中小企業はオーナー社長が多いこともあって、どうしてもワンマン経営に陥りやすい。株主が経営に口出ししてくることもなければ、労働組合が騒ぐこともないので、どうしても「独善」のワナにハマってしまう。
中小企業支援というと、日本では助成金などのバラマキや、「最低賃金の引き上げをしない」という方向に流れがちだが、実はもっとも必要なのは、ワンマン経営者に外部の視点でアドバイスをして、ブルーオーシャンに導くような仕組みなのではないか。
窪田順生氏のプロフィール:
テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経て現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌へ寄稿する傍ら、報道対策アドバイザーとしても活動。これまで300件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行う。
近著に愛国報道の問題点を検証した『「愛国」という名の亡国論 「日本人すごい」が日本をダメにする』(さくら舎)。このほか、本連載の人気記事をまとめた『バカ売れ法則大全』(共著/SBクリエイティブ)、『スピンドクター "モミ消しのプロ"が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)など。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。
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