アース製薬、嫌われもの「G目線」投稿で大反響 ファン急増も納得のSNS戦略とは?:「G劇場」第2幕へ(2/3 ページ)
広告で商品は知ってもらえるが、ファンにまでなってもらうのはハードルが高い。広告とは異なる手法で、商品やサービスの熱いファンをつくる「ファンマーケティング」が注目を集める中、虫ケア用品(殺虫剤)大手、アース製薬の斬新な手法が今夏、大きな話題を呼んだ。
同社はまず、Instagramアカウント開設に合わせ、フォロワーを獲得するために、フォローした人に抽選で商品の詰め合わせセットを贈るプレゼントキャンペーンを実施。約1000人のフォロワーを獲得した上で、フォロワー数を効果的に増やしていくためのさまざまな仕掛けを展開していった。
その1つ目が、G目線と悟られないための投稿の順番だ。
フォロワーを増やすための工夫とは?
6月20日に発信したG劇場の最初の投稿。コーヒーカップの画像とともに「コーヒー飲んでまったりタイム」との投稿文が添えられている。
一見すると、SNSを担当する“中の人”が自身の日常を投稿しているようにも見える。正体は2本目以降の投稿で次第に明らかになってくる。
「あたたかくて好きな季節がやってきた〜! なんか最近やることなくて暇だなぁ」(6月22日投稿)
「友達に呼ばれてちょっとお出かけです! 楽しみだ!」(6月24日)
「目的地に到着。めちゃくちゃワクワクする! お邪魔しまーす!」(6月27日)
「うわー俺好みの場所すぎる、、呼んでくれてありがとう!!」(6月29日)
稲積さんは「初期のフォロワーの皆さんに『これはもしかしてGじゃない?』という気づきを提供することで、人に伝えたくなるようなコミュニケーションフローができないかと考えました」と振り返る。
稲積さんは、Instagram内でコミュニケーションを完結させるのではなく、他のSNSにも波及させることを前提に目標設定を進めた。KPI(Key Performance Indicator/重要業績評価指標)は、話題の拡散効果が大きいTwitter上でどれだけUGC(User Generated Content/ユーザー投稿コンテンツ)を発生させられるかに置いた。
結果的に狙いは的中した。G劇場が終盤にさしかかった8月上旬、Twitterユーザーが同社のInstagram投稿を取り上げ「G目線で天才すぎる」とTwitterに投稿。10万を超える「いいね」が押され、大反響となった。
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