「返礼品はPayPay商品券」が自治体から期待されるワケ 今までのふるさと納税と、何が違う?:やらない理由がない(1/3 ページ)
さとふるとPayPayは11月16日、ふるさと納税の新しい返礼品として、自治体が指定した店舗や施設で使える「PayPay商品券」の提供を始めると発表した。さとふる藤井社長は「自治体の方から『やらない理由がない』と即決いただくことが多い」と自信を見せる。その理由とは──?
さとふるとPayPayは11月16日、ふるさと納税の新しい返礼品として、自治体が指定した店舗や施設で使える「PayPay商品券」の提供を始めると発表した。11月29日から開始する。
利用者は、ふるさと納税ポータルサイト「さとふる」で「PayPay商品券」を導入した自治体を選び、寄付することで、返礼品として「PayPay商品券」を受け取る。商品券は、寄付から180日後まで、自治体が指定する現地の店舗や施設で利用できる。複数店舗にまたがっての利用も可能だ。
年内に、30の自治体が導入する。さとふるの藤井宏明社長は「お会いした自治体の方からは『やらない理由がない』と導入を即決いただくケースが多かったです」と自信を見せる。
今までのふるさと納税と、何が違う?
藤井社長は「ふるさと納税は、財源の限られた地方自治体の課題解決に大きく貢献しています」と説明。しかしその一方で、「寄付者の約9割は現地には行かず、食品などの家で受け取る返礼品を選択しているのが実態です」と課題を話す。
さとふるはこれまでも現地に訪れて消費する体験型の返礼品に注目し、扱ってきたという。ただし、使い方が指定されているものが多く、特定の宿泊施設やアクティビティー提供施設の利用を促すにとどまっていた。今回のPayPay商品券の取り組みでは、自治体が指定したPayPayが使えるさまざまな種類のお店を、複数店舗にまたがって利用してもらえる。これが地域活性化として期待できるポイントだという。
「例えば、目立った特産の食品がなくても、観光資源が豊かな地域もあります。そういった場所で、このサービスによってコト消費を加速できるのではないかと期待しています。ふるさと納税は『普段は選ばないけれど、返礼品で試してみる』という趣向もあると思います。これまで行かなかった場所にPayPay商品券があるから訪れてみる、といった新しいきっかけにもなればと考えています」(藤井社長)
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