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なぜプリウスは“大変身”したのか トヨタが狙う世界市場での逆転策高根英幸 「クルマのミライ」(1/6 ページ)

トヨタが新型プリウスを発表した。発売はまだ先なので、車両の詳細なスペックなどは分からないものの、その変貌ぶりが話題になっている。それにしても、なぜトヨタはこのタイミングで発表したのか。背景にあるのは……。

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 トヨタが新型プリウスを発表した。まだ発売は先のことであり、車両の詳細な仕様やスペックは発表になっていないものの、その変貌ぶりが話題となっている。特徴としてはスタイリングからも走りの性能を重視している点だろう。


発表されたばかりの新型プリウス(画像はPHVモデル)。ワンモーションフォルムと呼ばれるノーズからリアエンドまで滑らかに続くシルエットは継承しながら、より低いウインドウエリアや鋭いノーズを備え、格段にスポーティーさを高めている

 しかしながら、現行のプリウスも走りに関しては大幅な進化を果たしたモデルであった。3代目の30プリウスまではとにかく燃費性能を追求したモデルであり、乗り心地や操縦安定性といった走りの部分は二の次といった仕立てであり、そこに物足りなさを感じるドライバーも少なくなかった。

 そこで4代目となる現行の50プリウスでは、TNGA(トヨタニューグローバルアーキテクチャの略=国際競争力を持った設計基準)によって開発されたプラットフォームを採用することで、乗り心地と走行性能を向上させたのである。

 もちろん歴代最高の燃費性能に仕上げてきたことも驚異的なことではあったが、トータル性能で評価されることでプリウスの存在価値を高めたのだ。

 そこまでの方向性と目標はよかったが、スタイリングデザインが奇をてらい過ぎていたことが、結果的に販売の足を引っ張った。新しさをイメージさせるためにこれまでの歴代プリウスでもさまざまな仕掛けが施されていたが、4代目ではスタイリングが奇抜すぎたのだ。

 今度の5代目は正常進化版ではあるのだが、新型のデザインが4代目で実現されていたとしても、ヒットしたかは分からない。7年も経過しているだけに、現在と当時ではクルマに対する評価や印象が大分変わってきている。

 そういった意味では、今度のプリウスは今だから通用する斬新なデザインを与えられたとも言える。

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