やっぱり日本は遅れているのか 技術面だけでは語れない、FCVやEVの世界:高根英幸 「クルマのミライ」(6/6 ページ)
トヨタ自動車からFCVの「MIRAI」が発売されているが、「水素社会はまだまだ先のこと」と感じている人が多いかもしれない。国内で水素エネルギーの利用は進んでいるが、海外と比べて進んでいるのか、それとも遅れているのか。
国際競争力を高めたクルマを
自動車メーカーやサプライヤーはエンジンや変速機の基礎技術を協力して高め合う、AICE(自動車用内燃機関技術研究組合)やTRAMI(自動車用動力伝達技術研究組合)という団体を相次いで立ち上げた。これも国内での活動であり、競争分野では結局技術や情報を共有できないから、これまた中途半端感が否めない。われわれ外部の人間には開発の現場は見えないから、余計にそうした印象になってしまうのだろう。
それに電動化がこれだけ急速に進んでいるのだから、電動化技術も共有できるように連携の構造を考え、オールジャパンで開発スピードや調達コストなどを効率化するべきではないだろうか。
積極的に新技術を試すことができるかどうかが、日本の自動車業界に問われているようにも見える。日本の消費者も、少々の不自由さには目をつむって、国際競争力を高めたクルマを歓迎すべきなのかもしれない。
筆者プロフィール:高根英幸
芝浦工業大学機械工学部卒。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。これまで自動車雑誌数誌でメインライターを務め、テスターとして公道やサーキットでの試乗、レース参戦を経験。現在は日経Automotive、モーターファンイラストレーテッド、クラシックミニマガジンなど自動車雑誌のほか、Web媒体ではベストカーWeb、日経X TECH、ITmedia ビジネスオンライン、ビジネス+IT、MONOist、Responseなどに寄稿中。近著に「ロードバイクの素材と構造の進化(グランプリ出版刊)、「エコカー技術の最前線」(SBクリエイティブ社刊)、「メカニズム基礎講座パワートレーン編」(日経BP社刊)などがある。
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