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鉄道各社は苦況なのに、なぜJR東海は「大幅な業績回復」を成し遂げたのか?:妄想する決算「決算書で分かる日本経済」(2/6 ページ)
JR東日本に限らず、鉄道各社の多くは厳しい状況にあります。しかし、そんな中で業績回復が一際早いのがJR東海として知られる東海旅客鉄道です。同じ鉄道事業者なのになぜ、違いが現れたのか? そのギモンを決算書から読み解き、JR東日本と比較しながら解説します。
実はリニア投資の影響で、有利子負債額はJR東を超える
また、JR東海といえばリニア中央新幹線の開業に向けた投資も進めています。その建設費は7兆400億円と非常に多額となる予定です。
そのためリニアへの投資に向けた借入として、中央新幹線建設長期借入金3兆円を計上しています。加えて鉄道の開発や都市開発もしているため、直近の23年3月期の第2四半期時点では有利子負債が計5兆729億円となっています。
JR東日本の有利子負債は4兆8530億円です。JR東海は、実はリニアの影響により、東京を中心に大きな開発を行うJR東日本より有利子負債の残高が大きいのです。
そして利息だけでも直近の23年3月期の第2四半期時点で395億円もの負担となっています。JR東日本の利息負担は316億円ですから、借入同様に利息の負担もJR東日本より大きいです。
借り入れの返済も進めなければならない上、利子負担も大きいとなると、業績悪化が長引けば非常に苦しい状況になるということが分かります。
「それなのになぜ回復が早いのか」というギモンが生まれますが、これは運輸収益の内訳から説明できます。
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