日本中小企業大賞 キーワードは「人材不足解消」 「スナックDX」 「デュアルキャリア」(2/2 ページ)
中小企業や社員の創意工夫や挑戦にスポットライトを当てる中小企業の祭典「日本中小企業大賞2022」。受賞企業は?
セパタクローの日本代表を採用 営業成績トップ
中小企業だからこその働き方や人材登用により活躍した社員を表彰する「スゴイ社員賞」最優秀賞は、ジーケーライン(東京都新宿区)の佐藤千夏さんが受賞した。
EC向けソリューションの開発やWeb制作、インターネット広告など、EC支援事業を主軸に展開している同社。移り変わりの速いEC業界で活躍できる人材を雇用するため、2020年からアスリート社員制度を採用している。
受賞理由としては、セパタクローの日本代表としての実績を上げながらも会社の営業成績もトップで成果を出しており、アスリートのデュアルキャリアの在り方を切り拓いている点を評価した。現在20人のアスリート社員が在籍し、デュアルキャリア支援を仕組み化できている点も評価を得ている。
社員の生きる喜びを充実させることを優先させ、自発的成長ももたらす仕組みを、時短と共に生み出した企業を表彰する「働き方改革賞」最優秀賞は、「サン共同税理士法人」が受賞した。
サン共同税理士法人は、税務顧問やコストがかかりがちな経理業務や決算業務のアウトソーシング、組織再編スキームの提案と幅広いサービスを提供している。
受賞理由は、税理士法の問題でリモートワークがしづらい業界独特の業務慣行を改善するため社内研修共有システムを自社開発した点だ。働きやすい職場作りのためにDXを推進し、繁忙期でも平均残業1時間という成果を出した。
企業、社員が気付いた身近なことから新たなムーブメントを実現した企業を表彰する「SDGs賞」最優秀賞は、「ウィファブリック」(大阪市)が受賞した。
ウィファブリックは、アパレル企業がデッドストックを中心とした在庫を出品し、その商品をお得にユーザーが購入できるサステナブルアウトレットモール『SMASELL(スマセル)』を展開している。
世界では約28億着もの衣類が廃棄され、その半数が新品のまま焼却処分されているという。「捨てるくらいなら必要な人に届ければいいのに」という当たり前の感覚を事業に落とし込み、消費者のSDGs意識に依存せず、まずは安さという魅力で顧客を囲い込んでいる点に戦略性と成長性を見いだしたのが、今回の受賞理由だ。
中小企業からニッポンを元気にプロジェクトは、国内企業の99.7%を占め、雇用者数の約7割を雇用する中小企業へのさらなる支援を視野に、「今後も社員の創意工夫や挑戦にスポットライトを当て、企業の底力を多くの人に広める機会に注力していく」とコメントした。
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