違法・無報告・無規制な漁業で枯渇する資源 回復を目指すための「ブルーシーフード」とは?:企業の先進事例(5/5 ページ)
ロックフェラー家の当主デビッド・ロックフェラー・ジュニアさんが2004年に設立した海洋保護を目的としたNGO団体「セイラーズ フォー ザ シー」。企業や自治体を通して「ブルーシーフード」を普及させようとしている。日本支局のトップに「ブルーシーフード」の可能性を聞いた。
ロックフェラー夫妻との関係が原動力に
――SFSのこの10年の活動、モチベーションを支えたものは何ですか?
デビッドと(妻の)スーザンがいたからだと思います。スーザンとは本当に毎日やりとりをしていました。そこから変わらず10数年間、仲良くしてくださっています。必ず年1回は日本に来て旅行を一緒にしています。
今は年に1回、「ブルーシーフードガイド チャリティーレセプション」を、ロックフェラー夫妻が主催という形で開催しています。社会的な責任が大きくなってきて、レセプションも大事な弊社の活動になりました。
――ロックフェラー夫妻との関係はどうしてできたのですか。
もともとデビッドたちと出会ったことがきっかけとなって起業しました。出会った時は、私は京都で日本の伝統文化を、インバウンドの方々に伝える仕事をしていました。京屋敷を借り上げていて、英語とフランス語のプログラムを提供する立場だったんです。その取り組みをしていたので、デビッドから「新婚旅行するから一緒に旅行しよう。京都を案内してほしい」と誘われたのが最初です。
――それでSFSの日本支局を立ち上げるまでになったのですね。
彼らと話をしてみると、世の中を見る目など、半世紀先をいっている人と会話をしている感覚を覚えました。英国のチャールズ皇太子殿下(当時)とお話をさせていただいたときと同じ感覚でした。
彼らのような最先端の情報が集まるがゆえに頂点から俯瞰できる鋭い目と、未来を見据えるあたたかな目を持つ方から教えを請う立場だと最初から思っていましたね。これからも彼らと一緒に持続可能な未来を目指す世界の実現に向け、尽力していきたいと考えています。
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