コラム
KDDIやソニーも採用 ESG指標と役員報酬の連動、度合いや指標はどう決める?:ESG経営推進のカギとなるか(1/3 ページ)
企業のESG経営が進むにつれて、ESG指標と役員報酬を連動させる企業は増加傾向に。連動度合いや連動指標の策定、結果検証の際に検討すべき点などについて考察していきます。
企業のESG経営が進むにつれて、ESG指標と役員報酬を連動させる企業が増えてきています。ESG経営は企業理念に基づく全社的なテーマであるため、これを実装して根付かせていくためには、経営陣の強いコミットメントとリーダーシップが不可欠です。従って、経営陣の意識変革や行動を動機づけるという意味において、ESG指標と業績報酬との連動はきわめて自然な流れと言えるでしょう。
また、ESG対応を基準とした投資家からの選別や要求が厳しくなる中、報酬制度を通じた経営陣の確かなコミットメントを示すことで、投資家との適切なコミュニケーションが図れる効果も期待できます。実際に、多くの機関投資家は企業のESG指標と業績報酬の関連付けに大きな関心を寄せています。さらには、取締役会の場でESGに関する報告や決議が増えれば、これらの議題に関する現場への指示命令も増えるため、ESG経営の社内浸透に寄与することも期待できそうです。
それでは、役員報酬のうちどの程度をESG指標と連動させることが多いのか。連動度合いや連動指標の策定、結果検証の際に検討すべき点などについて考察していきます。
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