“甘い夜”の世界はどうなっているのか 「夜パフェ」人気が全国に広がる:札幌・すすきの発(2/5 ページ)
2015年に札幌・すすきのから始まった「夜パフェ」「シメパフェ」の文化が、全国に広がっている。ブームの火付け役であり、全国8店舗の夜パフェ専門店を運営するGAKU社を取材し、人気の秘密に迫った。
大人向けのアートみたいなパフェ
ガク社では、札幌に3店舗、渋谷、新宿、池袋、大阪、福岡に各1店舗の夜パフェ専門店を運営している。そのうち、福岡を除く7店舗が自社運営、福岡のみフランチャイズ経営だ。
提供するのはアート作品のようなパフェ。その繊細な仕上がりに魅了され、甘いものを好まないが写真を撮りたくて来店する人もいるほどだ。パフェに使うパーツは、すべてパティシエが手作りしている。
「甘さや添加物などの調整ができない既製品では、当社が考える『おいしいパフェ』は作れません。パティシエが朝からパーツを作り、営業中に働くスタッフがパーツを組み立て、提供するフローを採用しています」(小笠原氏)
パフェの考案は、社長の橋本 学氏がほぼ担当し、彼のイメージを各店のパティシエが試作する。試作されたパーツを使って、橋本氏が仕上げているそうだ。
ブランドごとに若干コンセプトが異なるが、飲んだ後でも食べやすいようにいずれも甘さは控えめ。日本酒のジュレなどアルコールを使ったメニューもあり、お酒好きの人に好まれている。
「飲んだ後のシメにまたアルコール?」と思われるかもしれないが、実は飲んだ後に来店する人はあまりいないのだとか。
「店内がもっとも混雑するのは、午後8時過ぎです。深夜に近づくと飲んだ後のシメとして来店される方が増えますが、それほど多くありません。渋谷では20〜30代の女性同士の来店が目立ちますね」(佐藤氏)
札幌の店舗では、東京と比較して年齢層が広く、男女比が半々ぐらいになるそうだ。筆者は18年にパフェテリア ベル渋谷に来店したことがあるのだが、重たさがない絶妙な甘さが印象的だった。「確かにシメに食べたくなるかも」と納得感があったのは今でも覚えている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
「サクマ式ドロップス」製造元が廃業に追い込まれた、これだけの理由
「サクマ式ドロップス」を製造する佐久間製菓が2023年1月に廃業する。廃業の理由として、同社は「コロナ」と「原材料高騰」の2つを挙げているが、本当にそうなのか。筆者は違った見方をしていて……。
「マルチ商法の優等生」アムウェイは、なぜこのタイミングで“お灸”を据えられたのか
日本アムウェイ合同会社に対して、消費者庁が勧誘などの一部業務を6カ月間停止する命令を出した。「昔から同じようなことをやっているのに、なぜ今なの?」と思われたかもしれないが、どういった背景があるのか。さまざまな憶測が飛び交っていて……。
ちょっと前までブームだったのに、なぜ「高級食パン」への風当たりは強いのか
どうやら「高級食パン」のブームが終わるようだ。最近、さまざまなメディアがこのように報じているわけだが、なぜ「高級食パン」への風当たりは強いのか。その背景には、2つの理由があって……。
「田園都市線」は多くの人が嫌っているのに、なぜ“ブランド力”を手にできたのか
「通勤地獄。なぜあんなところに住むのか」――。SNS上で「東急田園都市線」が批判されている。街は整備されていて商業施設もたくさんあるのに、なぜこの沿線をディするのか。その背景に迫ったところ……。
『サザエさん』『ドラえもん』『ちびまる子ちゃん』『クレヨンしんちゃん』――最も高い家に住んでいるのは? 査定してみた
国民的アニメの主人公は、どんな家に住んでいるのでしょうか? 『サザエさん』『ドラえもん』『ちびまる子ちゃん』『クレヨンしんちゃん』の自宅を査定したところ……。

