御堂筋の歩道を広げてベンチを設置 人の動きはどうなったのか:GPSやカメラで人流解析(2/5 ページ)
梅田と難波を結ぶメインストリート「御堂筋」では、2017年からスマートストリート化を掲げた社会実験「御堂筋チャレンジ」が行われている。6車線のうち2車線をつぶして歩道に。GPSやカメラで人流解析をしたところ、どんな変化が見られたのか。
歩行者の滞在時間を伸ばし、消費アップへ
大阪・関西万博を直近の目標として、御堂筋と近辺の街を活性化させる社会実験「御堂筋チャレンジ」。そのキーワードは、歩行者の「滞在」と「回遊」だ。この背景には、歩行者中心、かつ歩行者が長くその場に滞在することが、消費の向上につながるという研究結果がある。
ジェイアール東日本企画が17年に実施した「駅ビル回遊行動調査」では、買い物意欲よりも滞在時間が購入率向上に寄与することが示された。同調査では、滞在時間が1時間以上の場合を「滞在時間が長い層」とした。
また、東京大学先端科学技術研究センターが21年に発表したプレスリリースによれば、歩行者空間に立地している小売店・飲食店の売り上げは、非歩行者空間に立地しているそれらよりも、売り上げが高くなる傾向が分かった。
これらを踏まえ、歩行者が長くとどまり、回遊しやすい施策を打っていこうと大枠の方針が固まった。そのうえで、もう一つ参考にしたのがリアル行動データプラットフォーム「Beacon Bank」を運営するunerry(ウネリー)による、街のリアル行動ビッグデータだ。
ウネリーは、屋外はGPS、施設内はビーコンやIoTセンサーでシームレスに人流を解析できる。
「データから分かったのは、なんば駅前広場を中心に約250メートル圏内の狭い回遊にとどまっていること、黒門市場周辺など東側の観光スポットに人流が及んでいないこと、南北の直線的な動きが多く東西の動きが弱いことでした。これらを基に、施策を考えました」(絹原氏)
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