御堂筋の歩道を広げてベンチを設置 人の動きはどうなったのか:GPSやカメラで人流解析(5/5 ページ)
梅田と難波を結ぶメインストリート「御堂筋」では、2017年からスマートストリート化を掲げた社会実験「御堂筋チャレンジ」が行われている。6車線のうち2車線をつぶして歩道に。GPSやカメラで人流解析をしたところ、どんな変化が見られたのか。
社会実験を継続するための課題は……
現在、大阪市では御堂筋チャレンジ2022の詳細結果を分析し、公表に向けて動いている最中だ。ミナミ御堂筋の会では、今回の結果を踏まえて、23年の春と秋に再び社会実験を行う予定だという。
御堂筋のスマートストリート化を通じてエリア全体を活性化させるには、継続的にデータを取得して実験を重ねることが求められる。その上で、絹原氏が挙げた課題は次の3つだ。
「1つ目は予算です。現在は大阪市の予算に加え、ミナミ御堂筋の会の協賛金、国からの補助金でプロジェクトにかかる費用をまかなっていますが、果たしてそれで継続できるのか。例えば、集客をしたいホテルや商業施設なども巻き込んで、民間から資金を得ることも考えられるでしょう。
2つ目はデータをどうマネジメントしていくか。万博が終わった後も長期で分析を続けていくには、誰がどうマネジメントしていくか仕組みをつくらなければなりません。そうでないと単発で終わってしまいます。
3つ目はセキュリティ。街の人流データは個人にかなりリーチするがゆえに、個人情報の観点からもルールを整理しながら進めなければなりません」(絹原氏)
4回の社会実験を経て、だんだんと街の変化が現れてきた御堂筋。だからこそ、絹原氏が指摘するとおり、大阪・関西万博に向けたお祭り的なプロジェクトで終わってしまってはもったいない。継続的にデータを取得・分析しながらPDCAを回していけば、御堂筋が日本のスマートストリートのロールモデルになるかもしれない。
写真提供:ミナミ御堂筋の会
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