御堂筋の歩道を広げてベンチを設置 人の動きはどうなったのか:GPSやカメラで人流解析(4/5 ページ)
梅田と難波を結ぶメインストリート「御堂筋」では、2017年からスマートストリート化を掲げた社会実験「御堂筋チャレンジ」が行われている。6車線のうち2車線をつぶして歩道に。GPSやカメラで人流解析をしたところ、どんな変化が見られたのか。
人のにぎわいは生まれたが、ゴミも増えた
御堂筋チャレンジ2022を実施した結果、どうなったのか。全体的な数値データは分析中とのことだったが、目視でも十分に変化が見られたという。
「ベンチの占有率は高く、土日は満席に近い場所がありました。平日も座って休憩する人がチラホラといて、御堂筋や近辺への滞在時間は確実に伸びているはずです」(絹原氏)
ベンチの配置により、にぎわいの創出のみならず、道路環境も向上した。以前は、歩行者道と自動車道が分かれているにもかかわらず、それを守らない人が多かった。しかし、仕切り部分にベンチを設置してから道路サインを守る人が増えたという。
滞在時間の延長に伴う消費向上については、現在エリア内の店舗にヒアリングを進めている最中だというが、店側の反応は概ね好評だった。
数々の施策がポジティブに働いた一方で、無視できない課題もある。
「ベンチを設置してから、その周辺に多くのゴミが放置されるようになりました。ゴミの内訳はタバコの吸い殻がもっとも多く、飲食ゴミも目立ちます」(絹原氏)
ベンチを設置してすぐに放置ゴミが増えたことから、大阪・ミナミの企業、商店街で構成する「ミナミまち育てネットワーク」では、10月22日にミナミ全域でゴミ拾いを行う「ミナミべっぴんプロジェクト」を実施。約340人が参加した。
ゴミの状況を可視化するため、カメラを搭載した最先端の「IoTトング」を活用。紙ゴミ、ペットボトル、タバコが多いことが分かった。御堂筋には引き続きベンチが設置されているため、ゴミの課題に関しては、呼びかけなどの啓発を強化していくそうだ。
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