連載
新NISAは「老後資金2000万円」をどう解決するのか? 普及のために乗り越えるべき「意外」なハードルも:古田拓也「今更聞けないお金とビジネス」(1/3 ページ)
2022年末に取りまとめられた税制大綱にて、NISA制度の拡充や恒久化が明らかになり、話題となった。果たして今回の改革で、「老後資金問題」にどのような影響が出るのか。そして、普及のための意外なハードルとは。
2024年に開始する新たなNISA制度は、岸田政権の肝いり政策である「資産所得倍増計画」を実現する上で重要な立ち位置を占めることになるだろう。
NISA制度とは、個人投資家が株式や投資信託などを保有・売却する際にかかる所得税や住民税などを一定の投資期間にわたって非課税とする制度だ。これまでNISA制度には、「一般NISA」と「つみたてNISA」、そして「ジュニアNISA」の3種類があった。新たなNISA制度では、ジュニアNISAを廃した上で一本化されることとなる。
実は「新NISA」という構想自体は、19年に発表された「令和2(2020)年度税制改正大綱」から存在した。しかし、当時のプランはあくまで「現行制度の延長線」というべきもので、制度移行に関する関心や認知も低い状態であった。
一方、23年度の税制改正大綱で示された新NISAについては、文字通り“桁違い”の非課税枠が確保できるだけでなく、利便性も大きく向上することになる可能性が高い。
そこで今回は、新たなNISA制度のあらましと、業界への影響について検討していきたい。
新NISAは「老後資金2000万円問題」を解決するのか
かつて金融庁が「老後2000万円問題」を取り沙汰した際は、大きな話題となった。この問題を巡っては、現役時代も厳しいのに、さらに老後のために2000万円が必要だというショッキングな内容がクローズアップされた。しかし、問題の本質は別の部分にあると考えている。
関連記事
- 7割が「不満」 冬ボーナスの支給金額 3位「5万〜10万円」、2位「30万〜50万円」、1位は?
ヒューネルがボーナスに関する調査結果を発表した。最も多くの人が回答した金額帯はいくらだったのか? - 最も好きなカフェ 「コメダ珈琲店」「マクドナルド」を抑えて1位になったのは?
カフェチェーンブランド調査が行われた。最も好きなカフェは3位は「コメダ珈琲店」、2位は「マクドナルド」だった。知名度も店舗数も多い両店を抑えて1位になったのは? - 日本企業の課長職、貯蓄平均は「1550万円」 年収の平均は? 業務内容で大きな差 毎月のお小遣い額も明らかに
ビジネスコーチが「日本の課長」に関する調査を実施。年収や毎月のお小遣い、理想の上司/部下などを課長1000人に調査した結果が明らかになった。 - ちょっと前までブームだったのに、なぜ「高級食パン」への風当たりは強いのか
どうやら「高級食パン」のブームが終わるようだ。最近、さまざまなメディアがこのように報じているわけだが、なぜ「高級食パン」への風当たりは強いのか。その背景には、2つの理由があって……。 - 部下を叱るとき、「絶対に使ってはいけない」NGワードを教えてください
部下を叱るときに、つい厳しい口調で言ってしまうので、不適切な発言が入っていないか心配です。叱るときに「絶対に言ってはいけない」言葉を教えてください。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.