日本酒原価酒蔵を運営するクリエイティブプレイス(東京都品川区)は、「新成人に飲んでもらいたい日本酒」ランキングを発表した。1位には「新政」(66票)が選ばれた。
2位は「獺祭」(45票)、3位は「風の森」(26票)、4位は「醸し人九平次」(21票)と続いている。
1位は「新政」
1位の「新政」は、秋田県で日本酒を製造している蔵元・新政酒造の作る銘柄だ。嘉永5年(1852年)に創業している伝統と歴史のある酒蔵で、最古の酵母「6号酵母」を誕生させた発祥蔵として知られる。新政は全銘柄にこの酵母を取り入れ、香りが控えめであるものの高い味わいの日本酒として人気だ。
「新政」と答えた人からは、「どのシリーズもフルーティさがずば抜けていて、苦味も少なく飲みやすい」「日本酒の歴史を学び日々精進している蔵人の作った酒でおすすめ」「自分が日本酒を好きになったきっかけだから」などの声が聞かれた。
2位の「獺祭」は山口県東部の岩国市にある、昭和23年(1948年)創業の「旭酒造」で造られている純米大吟醸酒だ。酒造りに山田錦を100%使っていること、日本酒の最高ランクともいえる純米大吟醸造りに特化している。フルーティな香りと飲みやすさ、その奥に香りと芳醇な味わい、全体を引き締める酸味など純米大吟醸の魅力がある。
「獺祭」と答えた人からは、「入りのお手本のようなもの。女性にも飲みやすい」「香りも華やかで甘みもあるけどスッキリしていて初めてでも飲みやすいお酒だと思う」という意見があった。
3位は「風の森」
3位の「風の森」は、奈良県御所市中本町にある油長酒造で作られている。油長酒造は、1998年に「風の森」が人気となり、一気に知名度が上がった。秋津穂(あきつほ)という品種の米と、葛城山系の良質な深層地下水を使用している。
「風の森」と答えた人からは、「初期にありがちな日本酒の悪酔いイメージを覆す爽やかな微発泡を体験してほしい」「微炭酸で爽やかなほんのり香る新成人のお祝い酒ということで」という声があった。
4位の「醸し人九平次」は萬乗醸造が醸す日本酒で、 1997年に発売された日本酒ブランドだ。2006年にミシュランに認定されたフランス・パリの三ツ星レストランで唯一採用された日本酒として注目され、逆輸入する形で日本へ流入した。
「醸し人九平次」と答えた人からは、「フレッシュ&フルーティーで新成人のイメージ」「日本酒のうまみを残しつつスッキリとした呑み口で、日本酒の初心者にはうってつけの日本酒」という意見が聞かれた。
調査は同社のアプリ会員など350人を対象に、インターネットで実施された。
若者の酒離れが進む
昨今、若者を中心に酒離れが進んでいる。
自分の身体や心の健康を考えあえてアルコールを飲まない、飲むとしても少しだけ楽しむライフスタイル「ソバーキュリアス」が、数年前から欧米の若者を中心に日本にも広がりを見せている。
ニッセイ基礎研究所が発表した22年12月の調査でも、日本人の飲酒習慣率を20年前と比べると、20〜30代の男女で低下、特に男性では全ての年代で低下しているという。
若者への日本酒の普及によって、酒離れの流れを食い止められるか。
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