「こんなものまであるの!?」で大ヒットの冷凍自販機「ど冷えもん」 パチンコ店の意外なニーズとは:長浜淳之介のトレンドアンテナ(5/6 ページ)
冷凍自動販売機「ど冷えもん」が売れている。販売台数が2022年10月末までに5000台を突破。支持される理由は「非接触」以外にもあった。
パチンコ店が導入を決めた理由
パチンコ店の活性化にど冷えもんを活用する動きもある。
パチンコ店、カラオケ店、飲食店などを経営するタツミコーポレーション(兵庫県明石市)では、22年7月、リニューアルオープンした兵庫県豊岡市の「ミクちゃんアリーナ豊岡店」の店内にど冷えもん3台を設置。セルフサービスの飲食スペースを設けた。
同店は郊外ロードサイドにあり、近くに飲食店もコンビニもない環境。遊戯中の顧客がいったん車で食事に出てしまったら、もうほとんど戻ってくることはない。そこで、遊戯の途中で食事が取れるようにど冷えもんを導入した。
パチンコ店に食堂を併設するケースもあるが、今は人手不足だし、人件費も掛かる。食材を余らせれば食品ロスも生じる。その点、自動販売機なら人件費は不要、冷凍食品は食品ロスもほとんど生じないメリットがあった。
タツミが販売する商品に関して2カ月を費やして試食会を開き、採用したのが社食サービスなどを手掛けるパック・エックスイノベーション(東京都港区)がど冷えもん用に商品開発した「ご褒美Theぐるめ」シリーズだった。60種類以上ある商品ラインアップのうちで、レンジアップにこだわり27種類を採用した。
パック・エックスでは、「ロース勝どん!」「ぷりっぷり特大海老3本どーん!」「大人のナシゴレン&スパイシー唐揚げ」「コク旨ボロネーゼ」「バリうま明太パスタ」「たっぷりモッツァレラチリドッグ」「韓国風クリスピーチキン」「屋台風たこ焼き」「ガーリックフライドポテト」「あんトースト」「あんフレンチトースト」などといった商品をど冷えもん用に製造。
ロケ弁グランプリで優勝した「SOMY'S DERI」が監修した弁当、神戸「トミーズ」のスイーツなどを取りそろえている。商品の価格は500〜900円が基本となっている。
導入した結果はどうなったか。若い人に好評で、パチンコ台以上に売り上げるケースもあったとか。
パック・エックスは21年8月より、ど冷えもん関連のビジネスを始め、30台ほどを設置した。同社ではパチンコ店の他にも、カラオケ店、ホテルなどの施設にニーズがあると見ており、それぞれの課題の解決に、ど冷えもんを提案していく方針だ。
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