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海外の人と働いて「生産性」を高めるには? 時差を武器にする人的資本開示が義務化(2/5 ページ)

有価証券報告書を発行する大手企業4000社を対象に、「人的資本」の情報開示が義務化される。人的資本をいかに活用していくかが企業の経営戦略のカギを握るわけだが、どのように対応すればよいのだろうか。

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海外人材取り込みも視野に。拡大を進める企業も

 資本でもある人材を確保するためには、日本国内にとどまらず海外にいる人材にも目を向けるべきだ。幸いにも、ここ数年で一気に加速したリモートワークの普及がそれを可能にしている。

 家族が海外転勤になったために会社を辞めざるを得なかった人、生活拠点を海外に移したいと退職した人。コロナ禍であったが、こうしたケースも多かっただろう。物理的な課題、家庭環境、ライフステージの変化により、これまでは退職せざるを得なかった人材も、リモートワークの活用により、引きとめることが可能になる。さらに、海外に住む彼ら・彼女からは、日本にはない新しい視座を示してくれるという副産物も期待できる。

 多様性が求められる現代、社員一人ひとりが働き方や生き方を尊重していくためにも、海外という視野を取り入れることは、組織自体をより柔軟に、そして強いチームへと導いていくだろう。

 すでに海外人材の取り込みを進める企業もある。東京都に本社を置く卸売小売業の双日は、人的資本経営を実現するために人材戦略の一つに「多様性を活かす」を掲げ、そのためのKPIを設定している。

 その一環として同社は、海外事業会社の現地ネットワークに目を向けた。外国人材のCXO(Chief x Officer)を拡大し、2025年度までに人材KPIとして「50%獲得」を目指しているという。海外人材の事業領域の拡大や新規事業の創出につなげる狙いだ。(参考:経済産業省「人的資本経営の実現に向けた検討会 報告書」43ページ)

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