データ活用の難易度は、ビジネスモデルによって違う:「データドリブンセールス」を考える(3/3 ページ)
勘に頼らず、熱意だけも頼らず、データを活用したビジネスのセンスが重視されている。データドリブンセールスの仕組みを紹介して……。
B2B
B2B (Business-to-Business)は、企業間の取引を指し、主に企業の意思決定者を支援するビジネスモデルの略語です。高額な商品や、数カ月にわたる検討期間が長い商品を扱うことが一般的で、顧客企業はインターネット上で情報を収集し、その後に営業担当者から商品の説明を受けます。ときには試用なども行いながら他社の商品と比較検討するなど、購買・契約に至るまでに多くの営業プロセスが必要となります。営業プロセスにはマーケティングやインサイドセールス、セールスなど多くの人員が関わることが多いです。
見込み客に対する商談状況(提案、見積もり提出、受注、失注など)や見込み客のプロフィール状況(業種、企業規模、予算など)は、各営業担当者の頭の中にのみ存在することが多く、人が介在するためデータ取得難易度が高くなります。
担当や部門を超えチームとして結果を出すために、商談状況の可視化や共有を行ったり、それぞれの担当者のゴール設定を数値化しコミュニケーションを円滑にするなど、データによって営業活動を加速させることが重要です。優良顧客にフォーカスするために、顧客の検討段階をスコアリングによって測定し、スコアによって営業担当者を最適に配置するマネジメントなど、高度なデータ活用が期待されます。高度であるからこそ、データを正確かつ抜けもれなく取得し活用することができれば、競合に対する大きなアドバンテージとなります。
まとめ
ビジネスモデル別にデータの活用方法を見てきました。セールス活動において有効なデータ活用方法には以下のものがあります。
- 顧客の解像度を高める
- 顧客の検討ステータスに合わせたアプローチ
- 優良顧客の掘り起こしの効率化、顧客優先順位の明確化
- 営業プロセスの可視化、数値化と継続的な改善活動
連載第2回では、データドリブンセールスの課題、より実践的な取り組み例をご紹介します。
関連記事
- ちょっと前までブームだったのに、なぜ「高級食パン」への風当たりは強いのか
どうやら「高級食パン」のブームが終わるようだ。最近、さまざまなメディアがこのように報じているわけだが、なぜ「高級食パン」への風当たりは強いのか。その背景には、2つの理由があって……。 - キユーピーの「ゆでたまご」が、なぜ“倍々ゲーム”のように売れているのか
キユーピーが販売している「そのままパクっと食べられる ゆでたまご」が売れている。食べことも、見たことも、聞いたこともない人が多いかもしれないが、データを見る限り、消費者から人気を集めているのだ。なぜ売れているのかというと……。 - 『サザエさん』『ドラえもん』『ちびまる子ちゃん』『クレヨンしんちゃん』――最も高い家に住んでいるのは? 査定してみた
国民的アニメの主人公は、どんな家に住んでいるのでしょうか? 『サザエさん』『ドラえもん』『ちびまる子ちゃん』『クレヨンしんちゃん』の自宅を査定したところ……。 - 次の「新幹線」はどこか 計画をまとめると“本命”が見えてきた?
西九州新幹線開業、北陸新幹線敦賀延伸の開業時期が近づいている。そこで今回は、新幹線基本計画路線の現在の動きをまとめてみた。新幹線の構想は各県にあるが、計画は「建設を開始すべき新幹線鉄道の路線を定める基本計画」として告示されている。これと費用便益比、各地のロビー活動の現状などから、今後を占ってみたい。 - 「田園都市線」は多くの人が嫌っているのに、なぜ“ブランド力”を手にできたのか
「通勤地獄。なぜあんなところに住むのか」――。SNS上で「東急田園都市線」が批判されている。街は整備されていて商業施設もたくさんあるのに、なぜこの沿線をディするのか。その背景に迫ったところ……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.