格闘技イベント「NARIAGARI」が無料配信 皇治とスマートニュース事業責任者に真意を聞いた:23年もブームは続くか(3/5 ページ)
スマートニュースは2月5日、格闘家の皇治が大阪で開催する自主興行「NARIAGARI」の第1回大会をニュースアプリ「SmartNews」の格闘技チャンネル上で無料独占ライブ配信する。同社の事業責任者に、格闘技チャンネルを立ち上げた理由を聞いた。創設者の皇治にもインタビューし、その真意に迫る。
メジャー団体への登竜門的な存在に
記者会見では「BreakingDownのパクリです」と話していた皇治。だが詳しく話を聞いていくと、方向性が異なるのは明らかだ。
「BreakingDownのような素人のスター選手が出てきてもいいと思います。ただはっきり言って、俺たちはプロで、下積みがあって、最低限の強さはありますからね。俺も武尊や那須川天心には勝てなかったけど、チャンピオンクラスの選手にも勝ちましたし、タイトルも取りました。
例えば、BreakingDownのこめお選手は自分のジムに来ているのですが、あの子たちも成り上がりたかったと思うけど、パッとね、実力もないのに、団体の影響力でいきなりスターになってね……。問題も多々起きるじゃないですか。だから、いきなり素人に知名度をバッとも出すのもどうなのかとは思っています。
プロで実力のある人がなかなか売れない時代です。それはSNSなどで自己プロデュースが簡単になってきているからです。俺はそうではなく、格闘技や夢に対して苦労している子たちにこそ知名度は持たすべきだと考えています」
実力と知名度は比例するべきという考えのようだ。
「俺は、実力はあるけど知名度はない選手に知名度を与えて、RIZINとかK-1とか大きな舞台に上げたいんです。ほんまに実力があるから、その団体を盛り上げることもできるし、一般のファンも喜びます。NARIAGARIを大きくしていくというよりも、メジャーな舞台にいい選手をどんどん輩出していきたいというスタンスです」
例えば昔のプロレスの世界では日本プロレスがあり、その後、全日本プロレス、新日本プロレスが中心となり、やがて多団体の時代を迎えた。その結果、各団体の選手層は薄くなり、入場者も減って経営が苦しくなるスパイラルに陥っている。一方、NARIAGARIは競合団体ではなく、メジャー団体への登竜門的な位置づけと考えていいのだろうか
皇治は「はい、その通りです」とはっきりとした口調で答えた。
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