格闘技イベント「NARIAGARI」が無料配信 皇治とスマートニュース事業責任者に真意を聞いた:23年もブームは続くか(2/5 ページ)
スマートニュースは2月5日、格闘家の皇治が大阪で開催する自主興行「NARIAGARI」の第1回大会をニュースアプリ「SmartNews」の格闘技チャンネル上で無料独占ライブ配信する。同社の事業責任者に、格闘技チャンネルを立ち上げた理由を聞いた。創設者の皇治にもインタビューし、その真意に迫る。
ライトユーザーといかに接点を持ち続けるか
だが、チャンネル数が1000もあると、格闘技は埋もれる可能性がある。何か目立たせる仕掛けはあるのか。
「おっしゃる通りで、チャンネル自体の選択肢が多くなると、今度はユーザー側が格闘技を選ぶのが大変になります。今までSmartNewsは使っていなかったけれども、皇治選手に興味があるから、『この機会にアプリをダウンロードしてみよう』という流れは当然、格闘技チャンネルをフォローする前提になっています。
あとは自ら能動的にチャンネルを増やす際のオススメ機能です。全てのユーザーが自分に合ったチャンネルを見つけて、登録をするのは相当ハードルが高いです。同じようなチャンネルを見ている人の傾向は分かっていますので、レコメンデーションしていきます。当社が強化していく方向性としてはディスカバリーです。情報がたくさんある中で、ユーザーが観ていて面白いと思える出会いを、いかにアプリ内に作るか。その部分に試行錯誤をしています」
筆者は40年来、格闘技を観てきているが、ブームが23年以降も続くかどうかには懐疑的だ。いかにしてブームを維持させたいと思っているのか。野辺氏は日々の接点を創出し続ける地道な活動がポイントになるとした。
「格闘技に限らず、新型コロナのタイミングでほとんどのイベントや興行が中止されました。コアなファンは常に残っていますが、そこにミドル・ライトユーザーがムーブメントに乗ってくるのです。試合の間隔が空くと、やはりライト層が薄らいでいき、もう1回ユーザーを獲得しなければならない構造になっています。
重要なのは、ミドル・ライトユーザーといかに接点を持ち続けるかです。ユーザーと日々の接点を持つようにしないと1年もすれば、使われなくなってしまいます。幸いSmartNewsは毎日ニュースを見るのが習慣化されているアプリなので、継続的に情報発信をするだけでなく、NARIAGARIを観る方であれば、次の興行にも興味があると思うので、私たちの方からリマインドする必要があるでしょう。
大会がない期間も選手が情報発信をし、そこにインタラクティブな機能を入れ、質問ができるようにするなど、ファンが選手とつながっている感覚を持つことで、エンゲージメントが蓄積されていきます。私たちが提供すべきところだと考えています」
収容人数は500人 大きな会場でやらない理由
主催する皇治に団体のコンセプトを一言で聞いてみた。
「それは、もう、『成り上がり』です。ほんまに強い思いを持っている人を出したいんですよ。それが一番です。本当に苦労してがんばっている選手が成り上がれる舞台にしたいんです。選手にスポットライトが当たってほしいんです」
会場は、収容人数が500人と大きな場所ではない。チケット収入というよりペイ・パー・ビュー(PPV、有料コンテンツに料金を支払って視聴するシステム)で稼ぐビジネスモデルにしていきたいのだろうか。ただ第一回に当たる今回に関しては、無料で配信するためにPPVで稼ぐわけではない。
「なぜ大きい舞台でやらないか。それは大きな会場では、チケットを売れる選手をメインに使わないといけなくなるし、試合数を多くしないといけなくなるんですよね。
自分はそうではなく、試合数を可能な限り絞ることによって、できるだけ多くのスポットライトを当てるようにしたいんです。スマートニュースさんや自分の動画チャンネルなど何らかの媒体に、選手をよりピックアップしてもらうようにしたいのです。
ほんまやったらプロ興行ではないので、別に賞金を出さなくてもいいと思うんですが、出してこれから成り上がるために資金にしてもらえたらいいかなと思って、(賞金を)出します」
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