いよいよ「グーグル1強」が終わる? ユーザー爆増中のChatGPTがもたらすインパクト:古田拓也「今更聞けないお金とビジネス」(4/4 ページ)
今話題の「ChatGPT」。米国のメディアで採用の動きもみられる。AI製のコンテンツはAI製のコンテンツであると見抜ける人でないと、インターネットを使うのは難しい時代がくるかもしれない。
そもそも、AIは総論や一般論についての記載は得意だが、個別論点や時事問題のようなテーマには誤りのある情報が含まれたり、全く事実と異なる文章がそれらしく出力されたりすることもある。とすると今後は、AIを用いた、一見するとそれなりの文章だが、事実とは異なる内容がまとまったブログやメディアが増加していく危険性がある。
これによって、検索エンジンが提供する情報の信頼性が一層低下するリスクがあり、グーグルは自社の検索結果がAIに荒らされ得るという点においても脅威を抱えていることになるわけだ。
大きな懸念は、医療や美容、ダイエットなど、誤った情報が取り返しのつかない健康被害につながるような分野で記事が粗製濫造されることだろう。これはかつて医療キュレーションサイト「WELQ」で起こった問題をほうふつさせる。WELQ問題が発端となり、当時に流行の兆しを見せていた「キュレーションサイト」の多くは閉鎖に追いやられた。同様の騒動が、今後ChatGPTによって引き起こされる可能性は十分にあるだろう。
バズフィードを皮切りに、AIをライターとして起用する動きは今後一層広がりを見せるはずだ。そのような時代では、情報がAI製であるかどうかを見抜くスキルや、そもそも記事の内容を精査できるだけの資格ないし専門知識を有するという”強み”が求められてくるだろう。AI製のコンテンツはAI製のコンテンツであると見抜ける人でないと、インターネットを使うのは難しい時代は、そう遠くないかもしれない。
筆者プロフィール:古田拓也 カンバンクラウドCEO
1級FP技能士・FP技能士センター正会員。中央大学卒業後、フィンテックベンチャーにて証券会社の設立や事業会社向けサービス構築を手がけたのち、2022年4月に広告枠のマーケットプレイスを展開するカンバンクラウド株式会社を設立。CEOとしてビジネスモデル構築や財務等を手がける。Twitterはこちら
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