データ活用はなぜ進まないのか 見落としがちな「落とし穴」:「データドリブンセールス」を考える(1/3 ページ)
データドリブンセールスを進めるうえで、どのような課題を抱えている企業が多いのでしょうか。関係者と話をしていると「使ってもらえない」「売り上げが伸びない」といった声が目立ちますが、そうした問題の背景には、ある「共通項」が見えてきました。それは……。
前回のビジネスモデル別のデータ活用の難易度とデータ活用方法に続き、第2回はデータドリブンセールスにおける課題と、実践的な取り組みについてご紹介します。
ビジネスモデルによって解決策が異なることから、今回はB2Bのダイレクトセールスをされている企業にフォーカスします。
データを分析し始めたものの、セールスの現場でうまく活用できていない――。このような課題を抱えているケースをよく耳にします。ただ、経緯をさかのぼって確認すると、データを取得する前の工程に課題があることが多く、まずはこの課題背景からご紹介していきます。
機能しないデータドリブンセールス
データドリブンセールスに注力しているDX部門の方や、データ管理をされている方にこれまでの取り組みについてうかがうと、大半の方はセールス(インサイドセールスも含む)やマーケティングのチームにきちんとヒアリングを行っていて、その上でBIツールを導入したり、ダッシュボードを用意したりしています。
にもかかわらず、
- セールス担当者に使ってもえらない
- 結果(売り上げ)につながらない
- 計測または取得できないデータが次々にあがってきて、対応に迫られている
といった課題に直面しているケースが多いようです。
実際に提供されているBIツールやダッシュボードを見ると、売り上げや商談数など、見たいデータについてあらかじめヒアリングし、すり合わせを行ったKGI/KPIに基づいた数値がきちんと表示されています。このことからも、BIツールやダッシュボードなどに問題はなさそうです。
そうすると、課題の原因が見当たらないように感じられますが、顧客視点で見ると、ある「共通項」が浮き彫りになってきます。その共通項とは、部門ごとに分業をきちんとしている企業ほど陥る傾向があります。
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