USJ再建の森岡毅氏 「勝ち筋が見えている」沖縄のテーマパーク構想:失望から2年後、帰ってきた(4/5 ページ)
沖縄本島北部のゴルフ場跡に建設が計画されている「沖縄北部新テーマパーク」が、本格着工した。
独自で動き出した森岡氏
森岡氏は16年にUSJを退職し、マーケティング会社「刀」を設立。18年7月、沖縄を代表するオリオンビール、リウボウ、ゆがふホールディングスの3社と共に、本島北部地域にテーマパークを建設する新会社を設立すると公表した。8月には、近鉄グループホールディングス等も加えた複数社で「ジャパンエンターテイメント」を立ち上げた。森岡氏は諦めていなかった。地元は早くも期待に沸き立つ。
森岡氏は構想実現に向け、事業計画策定、候補地選定、資金集めへと奔走する。新会社設立直後の10月には、沖縄タイムス社が主催する講演会「沖縄政経懇話会」に登壇。独立してまでも沖縄でテーマパーク事業を追い求める理由を熱く語っている。
真っ先に上げたのが、沖縄のポテンシャル。その一つが、アジアに最も近い日本としての地理的優位性だ。森岡氏は「距離抵抗がそれほどかからない飛行3時間圏内にアジアの大都市が入るのが沖縄。経済成長が続くアジアの需要を取り込める」と説く。
さらに「沖縄の海は規模と透明度でやっぱり世界一」と強調。本島北部には山や川もあり、豊かな自然が「唯一無二の観光資源」とした。森岡氏はUSJで沖縄進出を検討していた14年頃、「沖縄の観光客数は20年を待たずにハワイを抜くと予想していたが、誰も信じてくれなかった。某都市銀行の担当者には思い切り笑われた」とのエピソードを披露。しかし、この予測は見事に的中する。沖縄の観光客数は17年に前年比9%増の939万人となり、ハワイを1万3千人上回った。その後も増え続け、19年には念願の1千万人突破を果たす。
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