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JR東、「JRE POINTステージ」開始 背景に見える“経済圏”構想:ポイント競争に勝ちに行く(2/3 ページ)
R東日本は「JRE POINTステージ」の開始した。ポイントの利用状況によって会員に4段階のステージが設定され、特典を付与するサービスだ。このサービスの狙い、戦略について考察する。
“貯まりやすさ”が強みだったJRE POINT
JRE POINTはもともとSuicaポイントなど、JR東のさまざまなポイントサービスを一元化するためのものだった。
同社のグループが発行する「ビューカード」(VIEW CARD)でSuicaをチャージすると、高い還元率でポイントが貯まるのだが、従来はこまごまとした移行作業が必要だった。それが、JRE POINTに一元化したことで利便性が高まった。
例えばビューカードでモバイルSuicaにチャージするとポイントが貯まり、それを駅ナカの店舗などで使用するとさらにポイントが貯まる。このようなポイントの「二重取り」もやりやすくなったというわけだ。加えて、JRの電車に乗車する時にもポイントが貯まるため、日常的にJRを利用する人に歓迎されるポイントサービスとなった。
しかし、「ポイント界」の競争はさらに激化している。
条件を満たせばポイントが倍以上獲得できるようなキャンペーンは当たり前になった。例えばQRコード決済サービスのPayPayが開催する「PayPayジャンボ」では、抽選に当たると購入金額の全額が「PayPayポイント」として還元される。こうした派手なキャンペーンのように、各社がユーザーの囲い込みを仕掛けている。
JRE POINTが国内で流通しているメジャーなポイントサービスに対抗していくには、もはや「鉄道」と結びついているだけでは足りなくなった。そこで導入するのが、「JRE POINTステージ」である。
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