実験店「グリーンローソン」は広がるのか アバターが「いらっしゃいませ!」:レジ袋を撤廃(1/5 ページ)
ローソンは実証実験店舗「グリーンローソン」で、食品ロスやプラスチックごみの削減、省人化、働き方の多様化などに向けた施策を実施。その中には、従来の“便利さ”を見直すことに踏み込んでいる施策もある。同社はグリーンローソンにどのような思いを込めているのか。
ローソンが2022年11月にオープンした実証実験店舗「グリーンローソン」(東京都豊島区)。食品ロスやプラスチックごみの削減、省人化、働き方の多様化など、持続可能な店舗運営を見据えた20以上の施策を集約した近未来型店舗だ。
コンビニといえば、その名の通り「便利」な存在だが、グリーンローソンで実施している施策の中には、従来の便利さとは逆行するものもある。テクノロジーを活用した取り組みや、食品廃棄を減らす工夫などに加えて、これまで当たり前のように提供されてきた“便利さ”を見直すことにも踏み込んでいるのだ。
同社はグリーンローソンにどのような思いを込めているのか。店舗で実施している新しい取り組みから探った。
多様な人材がそろう「アバター接客」
「通常店舗とは異なる新しい取り組みをお客さまにどこまで許容していただけるか、グリーンローソンで検証しています」と、ローソンの事業開発部マネジャー、只野ひとみ氏は説明する。
同店では、アバターによるリモート接客、弁当の冷凍販売、モバイルオーダーの導入、レジ袋の販売とカトラリー(ナイフやフォークなど)配布の撤廃、扉付き冷蔵ショーケースの設置など、さまざまな施策を実施。それらが来店客に受け入れられるかどうか、また、利益を出しながら持続可能かどうかを検証し、効果的だと判断した施策を他店にも広げていく方針だ。
その店内で最初に目に飛び込んでくるのは、入口付近に設置された大型モニターの中で動くキャラクター。「いらっしゃいませ!」と、来店客に声をかけている。
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