実験店「グリーンローソン」は広がるのか アバターが「いらっしゃいませ!」:レジ袋を撤廃(2/5 ページ)
ローソンは実証実験店舗「グリーンローソン」で、食品ロスやプラスチックごみの削減、省人化、働き方の多様化などに向けた施策を実施。その中には、従来の“便利さ”を見直すことに踏み込んでいる施策もある。同社はグリーンローソンにどのような思いを込めているのか。
アバターと会話してみた
これは、遠隔で店内の様子を見ながら、セルフレジ操作をサポートしたり、商品を紹介したりする「アバター接客」だ。店内に設置された4カ所のモニターを通じて、一度に2〜4人のオペレーターが接客を担当。現在は、幅広い年齢層の約30人のオペレーターが勤務している。
取材日に勤務していたオペレーターに話しかけてみると、違和感なくスムーズに会話できた。オペレーターの声だけでなく、体の動きを映像解析し、それに合わせて画面の中のアバターも動く。会話に加えて、手を振ってもらったり、じゃんけんをしたりと、楽しくコミュニケーションを取ることができた。
セルフレジの横に設置されたモニターでは、オペレーターが客の操作画面を確認しながら声掛けをしてくれる。この店ではたばこやお酒もセルフレジで購入できるため、運転免許証の読み込みによる年齢確認といった少し複雑な操作も、アバター接客でサポートする(店舗スタッフが対面で年齢確認する方法も選択可能)。
この日、男性アバターを操作していたオペレーターは大阪在住で、週4日勤務しているという。もともとアバターを使ったサービスに興味があり、アバターでどんなことができるのか、自ら体感してみたいという思いから応募した。実際に働いた実感として、「お客さまの新鮮な反応や笑顔を見られることが楽しい」と話していた。
オペレーターは、リモート接客に挑戦してみたい人や隙間時間で働きたい人、車椅子で生活している人など、多様な人材がそろっている。只野氏は「アバター接客に興味を持った理由などをお聞きし、私たちと一緒に、思いを持って実証実験に参加してくださる方を採用しました」と話す。
また、アバター接客を活用した新たな取り組みにも着手している。全国各地の生産者がアバターとなり、来店客に遠隔で商品の魅力を伝える「ローソンアバターストア」の実証実験を2月27日に開始。来店客は生産者と直接話したり、店頭の展示品を確認したりして商品を知り、その後ECサイトで購入できる。店舗の活用方法を広げる試みだ。
関連記事
- ちょっと前までブームだったのに、なぜ「高級食パン」への風当たりは強いのか
どうやら「高級食パン」のブームが終わるようだ。最近、さまざまなメディアがこのように報じているわけだが、なぜ「高級食パン」への風当たりは強いのか。その背景には、2つの理由があって……。 - “売れない魚”の寿司が、なぜ20年も売れ続けているのか
魚のサイズが小さかったり、見た目が悪かったり――。さまざまな理由で市場に出荷されない「未利用魚」を積極的に仕入れ、宅配寿司のネタにしているところがある。しかも、20年も売れ続けていて……。 - 丸亀製麺は“讃岐うどん”の看板を下ろしたほうがいい、これだけの理由
またまた炎上した。丸亀製麺が讃岐うどんの本場・丸亀市と全く関係がないことである。このネタは何度も繰り返しているが、運営元のトリドールホールディングスはどのように考えているのだろうか。筆者の窪田氏は「讃岐うどんの看板を下ろしたほうがいい」という。なぜなら……。 - 「大量閉店」に追い込まれたのに、なぜクリスピーは“復活”したのか
クリスピー・クリーム・ドーナツの売り上げが好調だ。売り上げが落ち込んで大量閉店に追い込まれたのに、なぜ復活できたのだろうか。取材したところ、2つの理由が浮かんできた。 - キユーピーの「ゆでたまご」が、なぜ“倍々ゲーム”のように売れているのか
キユーピーが販売している「そのままパクっと食べられる ゆでたまご」が売れている。食べことも、見たことも、聞いたこともない人が多いかもしれないが、データを見る限り、消費者から人気を集めているのだ。なぜ売れているのかというと……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.