学び直しは会社員のキャリアにどう生きたのか 働きながら38歳でMBAを取得:プライベートをほぼ捨てても(4/5 ページ)
「リスキリング」が注目されている。大手企業での勤務を経て、31歳でスタートアップに転職した上野陽子さんは、働きながら38歳でMBAを取得、その後、別のスタートアップに転職しマネージャー職を務める。「プライベートをほぼ捨てても挑戦する価値があった」と話す上野さん。学び直しがキャリアにもたらした変化とは――。
学びの機会は提供したいけれど……企業の本音
上野さんの上司であり、ジールス社のコーポレート本部 People&Culture(ピープル&カルチャー)部の一瀬 修部長は、「組織的能力のアップグレードに貢献してほしい」と上野さんに期待を寄せる。
「経営戦略と連動した人事戦略や人材マネジメントの確立は、当社の課題のひとつです。MBA取得によってグローバルマインドや経営視点を得た彼女には、そのスキルを発揮して大いに活躍してほしいと願っています」(一瀬氏)
22年9月に米国法人「ZEALS, Inc.」を設立し、海外進出を果たした同社は、9割以上のエンジニアが外国籍というインターナショナルな環境だ。
ダイナミックな事業成長を目指す同社では、リスキリングやリカレントを重要視しており、自主的な学び直しや視野が広がる副業は歓迎している。一方で、企業発のリスキリングやリカレント施策は本格化していない。過去に英語やマーケティング、プログラミングなどの学習プログラムを短期で提供したことはあるが、それが十分に機能している感覚はないという。
「スタートアップの共通点として、事業の方向性や組織編成などにスピーディーな変化があります。そういった環境で、固定のスキルアッププログラムを用意したところで価値を発揮しづらい。身につけたスキルをどう生かすかというステップが見えず、業務の忙しさもあり、モチベーションが維持しづらい点も挙げられます。
現状は、目の前のチャレンジに合わせて各自が必要なことを見出して、自主的に学ぶ姿勢が求められています」(一瀬氏)
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