「終電間近にラーメンが売れる」 冷凍自販機の集合店はどんな使われ方をしているのか:空きスペースの活用(2/4 ページ)
冷凍自動販売機「ど冷(ひ)えもん」をご存じだろうか?最近は空きスペースにど冷えもんを数台置き、さまざまな商品をそろえる“冷凍自販機の集合店舗”が増加中。メリットとは?
飲食店以外からの問い合わせが増加
不動産や商業施設からの問い合わせは「場所だけを貸すから、商品の用意や補充などはやってくれ」というものが多いという。今までは飲食店が各自で商品を作り、補充していたため、新たに「製造」「物流」「商品補充」を担う必要が出てきた。
「製造」に関しては、各メーカーなどと協業し、ギョーザやラーメン、スイーツ、お好み焼きなど100アイテムを用意している。問題は「物流」と「商品の補充」だ。冷凍自販機は、飲料ベンダーのように物流体制が整備されていないため、これから環境構築を強化する必要があるのだ。
「今は物流や商品を自社で担い、課題をあぶりだして、環境整備に向けた準備をしています。運送会社など各所の企業とも話を進めており、今年中には、補充のルートや物流の形を完成させたいと考えています」(SOBO 益川大平社長)
冷凍自販機の集合店 メリットは?
「物流」「商品の補充」に課題がある中、注力しているのが“冷凍自販機の集合店舗”だ。一箇所に複数台自販機があると、1回でまとめて商品の補充できるためとても効率的。物流コストのカットにもつながる。
同社はJR大森駅西口に「FROZEN24マート」という冷凍自販機の集合店舗を構えている。22年7月に開業し、6台の冷凍自販機を設置。冷凍自販機の認知拡大に加えて、空きスペースの新たな活用方法として提案していく。
「今まではど冷えもんを飲食店の店前などに1台だけ設置するケースがほとんどでしたが、FROZEN24マートでは、『韓国料理』『スイーツ』『ラーメン』などさまざまなコンセプトの自販機を設置しています。今後は“お店”のような形態も増やしていきたいですね」
「冷凍自販機の強みは、24時間無人で販売できること。さまざまな商品を用意し、選択肢を増やすことで、コンビニやスーパー感覚での利用も増えると考えています」(益川社長)
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