「オートミール」市場急拡大 これまでの健康食品ブームと何が違うのか?:長浜淳之介のトレンドアンテナ(6/8 ページ)
オートミールが大流行しており、市場規模も急拡大中だ。さまざまなプレーヤーが参入し、食べやすい提案がされている。
甘味を抑えた仕上がり
日本の多くの食品メーカー、スーパー、ドラッグストアなど小売店がオートミールに力を入れていなかった20年には、アマゾンドットコム、コストコといった米国発祥の大手流通で、オートミールを購入する人が多かった。
特に安価なクエーカーの製品に人気が集まっていたようだ。
日本の大手流通では、イオンのPB(プライベートブランド)「トップバリュー」から、「オートミール」「オーガニック オートミール」が発売されている。
最初から味が付いていて、牛乳などをかけてすぐに食べられるタイプのオートミール加工食品もある。これは、コーンフレーク、グラノーラなどと同じように、本当に手軽に食べられるシリアルらしい商品群で、朝食や間食に向いている。オートミール独特の水分を含んだ時の粘り気もあまり気にならない。
カルビーは、ポテトチップスやかっぱえびせんで著名なスナック菓子メーカーだが、30年以上前から「フルグラ」というグラノーラの商品も販売していて、シリアルのメーカーとしても実績を重ねている。
そのカルビーから22年4月、同社としては初のオートミールカテゴリーのシリアル、「ベイクドオーツ フルーツ」と「ベイクドオーツ ナッツ&シード」を発売した。
ベイクドオーツの使用穀物は燕麦のみで、食物繊維が豊富。糖質は1食40グラムあたり、フルーツが24.1グラム、ナッツ&シードが21.1グラムであり、食・楽・健康協会より適正糖質「ロカボ」認定を受けている。
独自の技術でオートミールを香ばしく焼き上げ、加熱調理が不要なのがポイント。牛乳やヨーグルトをかけただけで食べられるようにしている。ドライフルーツやナッツがトッピングされているので、食べやすいが、フルグラと比べると甘味を抑えた仕上がりになっている。
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