2015年7月27日以前の記事
検索
連載

「中身が見える冷蔵庫」が好調 なぜ開発したのか「背伸びせず使える冷蔵庫」も(4/6 ページ)

新潟県燕市の家電メーカ「ツインバード」が開発した最新の冷蔵庫は、ドアに触れると開けなくても中が透けて見える。使いやすい冷蔵庫が生まれるまでの歩みを、企画・開発担当者にうかがった。

Share
Tweet
LINE
Hatena
-

断熱性能の低下をいかに補うか

 中を見るときに透ける部分は断熱材を使用できないことから、「中身が見える冷蔵庫」の開発では見える機能と省エネ基準達成率100%を超えることの両立も課題になった。開発を担当した開発本部開発技術部 シニアエンジニアの伊藤完也氏は、課題解決ポイントとして次の2点を挙げる。

(1)中を見るのに十分かつ透ける面積をできるだけ小さくできる形を見つける

(2)透けるところから逃げる熱を最小限に抑える

 透ける位置、大きさ、形状については、モックアップでの検証と3DCAD上でのシミュレーションから決定。試作品で断熱と結露の評価を行い、その結果を踏まえて手直しを繰り返した。

 「透ける部分を小さくしつつ逃げる熱を抑えるために、ガラスの断熱性能を上げることにしました」と伊藤氏。問題は、断熱性能が高ければ高いほどガラスが高価になることだった。


冷蔵庫の右扉下にセンサーがあり、触れると扉が透ける

 伊藤氏は「一般的な家庭用冷蔵庫に採用できる高い断熱性能を持ったガラスは、結局見つかりませんでした」と明かす。最終的には一般的な3層ガラスを使い、ガラスの厚さと透ける部分の形状を工夫することで断熱性能を上げた。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る