「すしテロ」よりも注目すべき、外食チェーンの“本気の改革”:働き方の「今」を知る(4/4 ページ)
「安くて早くてうまい」日本の外食チェーン文化は、機械化・自動化などを用いた地道な企業努力で実現してきたものだ。昨今の、顧客による迷惑行為はこれらを根底から揺るがしかねない。この記事では、外食チェーンの努力を紹介することで、飲食業界を応援する。
人手不足の中、生き残るための企業努力
帝国データバンクが23年1月、全国1万社超に対して実施した「人手不足に対する企業の動向調査」によると、「正社員の人手が足りない」と回答した飲食店は60%超。アルバイトなど「非正規社員の人手が足りない」との回答はなんと80%を超え、コロナ禍前のインバウンド需要が活況だった19年以前と比べても過去最高に人手が不足している状況だ。
コロナ禍中の行動自粛要請や相次ぐ時短営業で離れてしまった働き手が戻ってこないという声も多く聞かれる中、今回採り上げた企業以外にも、各社でオンライン化、機械化、自動化などによって効率化を進め、働きやすさと売り上げ確保の両立に試行錯誤を続けている。その企業努力は他業界の企業にも参考になるだろう。
顧客の迷惑行為など逆風が続くが、わが国が内外に誇る素晴らしい外食文化を絶やさないようにしていきたい。
著者プロフィール・新田龍(にったりょう)
働き方改革総合研究所株式会社 代表取締役/ブラック企業アナリスト
早稲田大学卒業後、複数の上場企業で事業企画、営業管理職、コンサルタント、人事採用担当職などを歴任。2007年、働き方改革総合研究所株式会社設立。労働環境改善による企業価値向上のコンサルティングと、ブラック企業/ブラック社員にまつわるトラブル解決サポート、レピュテーション改善支援を手掛ける。またTV、新聞など各種メディアでもコメント。
著書に『ワタミの失敗〜「善意の会社」がブラック企業と呼ばれた構造』(KADOKAWA)、『問題社員の正しい辞めさせ方』(リチェンジ)他多数。最新刊『クラウゼヴィッツの「戦争論」に学ぶビジネスの戦略』(青春出版社)
12月1日に新刊『炎上回避マニュアル』(徳間書店)を発売。
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