その差は8倍 日本プロ野球と米メジャーリーグ、なぜ市場規模に差がついたのか:MLBは市場規模10倍に成長(1/3 ページ)
野球の世界一決定戦「ワールドベースボールクラシック」が盛り上がる中、野球に注目が集まっている。多くのスター選手を輩出している米メジャーリーグと、日本のプロ野球の市場規模を比較し、差がついた背景を考察した。
野球の世界一決定戦「ワールドベースボールクラシック」(WBC)が盛り上がりを見せています。前々回と前回では、福岡ソフトバンクホークスに注目し、マーケティング戦略やマネタイズにおける成功の秘密に迫りました。
(関連記事:なぜ「福岡ソフトバンクホークス」は320億円の売り上げがあるのか プロ野球界“最強”のマーケティング戦略)
日本プロ野球史上どころか、アジアのスポーツビジネス史上においても、最高の営業収益を誇り、さんぜんと輝くソフトバンクホークスですが、日本のプロ野球界では収益が赤字の球団も多いのも事実。そこで今回はWBC開催で野球に注目が集まっていることを考慮し、“野球の本家”米メジャーリーグ(MLB)と日本のプロ野球(NPB)を、市場規模で比較してみたいと思います。
MLBとNPBの市場規模 かつては差がなかった
結論からいえば、MLBとNPBでは残念ながら圧倒的な差があります。NPBの市場規模が約1800億円であるのに対し、MLBは約1兆5000億円(2018年推計)。なんと、その差は約8倍。例えるなら、プロ野球とリトルリーグくらいの差です。
では、なぜ市場規模にここまで大きな差ができたのでしょうか。それには国の経済成長が関係しています。実は1995年の市場規模は、NPBが約900億円、MLBは1500億円で、それほど差はありませんでした。
しかし、過去20年強の成長率においては、米国は約10倍。日本はたった2倍強と、大きな差が開いてしまいました。
実は、サッカーでも同じようなことが起きています。1993年にJリーグが開幕しましたが、その前年の92年に、英国でイングリッシュ・プレミアリーグ(EPL)がスタート。同リーグは現在、世界で最も稼ぐプロサッカーリーグとされていますが、90年代当時の1クラブ当たりの収入は、なんとJリーグの方が大きかったのです。
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