「スシロー」はなぜ、“食器舐め”本人の謝罪を拒否したのか 広報に聞いた
回転寿司チェーン「スシロー」の店内で、客が卓上の醤油ボトルや湯呑みを舌でなめる動画をSNSに投稿し、物議を呼んでいる。被害を受けたスシローの運営元あきんどスシローは迷惑行為に「刑事、民事の両面から厳正に対処する」との声明を発表。厳格な姿勢を示し、ネット上で賞賛を浴びている。スシローはなぜ厳しい姿勢を貫くのか。理由を広報に聞いた。
回転寿司チェーン「スシロー」の岐阜県内の店内で、卓上の醤油ボトルや湯呑みを舌でなめる動画がSNSに投稿され、物議を呼んでいる。被害を受けたスシローの運営元あきんどスシローは、当事者とその保護者から謝罪を受けた一方、迷惑行為に「刑事、民事の両面から厳正に対処する」との声明を発表。現在も警察への被害届を取り下げておらず、事実上、謝罪の受け入れ拒否の状態が続いている。こうしたスシローの厳格な姿勢に対し、ネット上では賞賛の声が相次いでいるが、スシローはなぜ厳しい姿勢を貫くのか。理由を広報に聞いた。
【編集履歴:2023年2月4日午後5時25分 記事タイトルと本文に関して、より正確性を期すために修正を加えるとともに、一部加筆を行いました】
「食の安全を脅かす行為。絶対にしないで」
厳しい姿勢で臨む理由をスシロー側の広報は「事案の大きさや社会に与える影響度を考慮した」と説明。「今回の迷惑行為は、他の回転寿司チェーンに与える影響も大きく、外食産業全体の食の安全を脅かす行為だ」と憤りを示す。
今後に向けては「お客さまに気持ちよく食事を楽しめる空間を作るのがわれわれの仕事。利用者には気持ちよく食事を楽しむにとどめ、安心・安全を脅かすことは絶対にしないでほしい」と強調した。
スシローは今回の迷惑行為を受け、被害店舗で開店前に全ての湯呑みの洗浄と醤油ボトルの入れ替えを余儀なくされた。これに加え、被害店舗とその近隣店舗で、店内の専用コーナーから食器類や調味料を持って自席まで移動するセルフサービスを導入するとともに、テーブル席と提供レーンの間に一部アクリル板を設置する工事を早急に行う方針だ。
通称「ペロペロ動画」の影響で株価も一時暴落
問題となった動画は1月末に投稿された。Twitterなどネット上では通称「ペロペロ動画」と呼ばれ、批判が殺到。当事者とみられる高校生の実名やアルバイト先を特定したとする投稿も散見される。
スシロー側に当事者が迷惑行為に至った理由や撮影者が父親であるか確認したが「警察が捜査中の事案のため、こちらからの回答は差し控える」とした。迷惑行為の動画が投稿された直後、親会社FOOD & LIFE COMPANIESの株価が一時暴落し、時価総額ベースでの被害額が100億円以上に及ぶとする指摘もある。これについても「回答できる材料を持ち合わせていない」とした。
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