中小企業の経営者「残業代に見合った成果がない」 50%が実感、対策は?:100人に調査(1/2 ページ)
タイムクラウドは、中小企業の経営者100人に対し「残業」に関する調査を実施した。半数が従業員の残業時間内での業務に対し、1.25倍の賃金を支払った分の成果を「出していない」と感じていることが分かった。
月60時間以上の時間外労働を法定割増賃金率50%以上とする取り組みについて、厚生労働省は4月から、大企業に続いて中小企業も対象とする労働基準法改正を行う。それに伴い、時間管理ツールを提供するタイムクラウド(東京都港区)は、中小企業経営者に対し「残業」に関する意識調査を実施した。
その結果、半数の経営者が従業員の残業時間内での業務に対し、1.25倍の賃金を支払った分の成果を「出していない」と感じていることが分かった。
時間外労働に対する割増賃金増についての認知度を調査したところ、半数以上が「知らない」(50%)、または「わからない」(4%)と回答した。
現在の従業員の勤怠管理はどうしているのだろうか? 最も多かったのは「エクセル」(35%)で、次いで「紙」(24%)、「労務・勤怠管理ツール」(23%)と続いた。
現在、従業員の残業時間内での業務に対し、1.25倍の賃金を支払った分の成果を出していると思うかという質問には「非常にそう思う」(14%)、「ややそう思う」(19%)と回答したのは33%だった。半数の経営者は「あまりそう思わない」(39%)、「全くそう思わない」(11%)と答えた。
従業員1人当たりの残業時間や残業中の業務内容の把握状況について、7割以上が「かなりできている」(42%)、「ややできている」(32%)と回答した。
「あまりできていない」(19%)、「全くできていない」(1%)と回答した人の中の55%(「非常に感じている」「やや感じている」の合算)が「従業員の残業時間や残業中の業務内容を把握できていないことに経営リスクを感じる」と回答した。
経営リスクを感じる理由については「生産性が低くなっている可能性があるから」(54.5%)を挙げた人が多かった。そのほか「従業員のマネジメント層に対する信頼を失う可能性があるから」(45.5%)、「従業員のモチベーション低下につながる可能性があるから」(45.5%)といった声も上がった。
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