くら寿司のワンコイン「海鮮丼」 低価格を維持する3つの秘訣とは?:ランチから見る企業努力(2/2 ページ)
「海鮮丼」「天丼」500円、「うな丼」580円のランチを提供するくら寿司。原材料高騰が続く中、価格維持はどうしているのか。取材した。
価格維持の秘訣
「ランチ価格が高騰の傾向にある中、リーズナブルな価格で楽しんでいただきたい」という思いから、同社は2020年2月21日にランチの提供を開始。価格維持の背景には、同社が10年から開始した「天然魚プロジェクト」の存在があるという。
産地直送の新鮮な魚を寿司ネタにする「天然魚プロジェクト」は、漁港で獲れる魚を直接買い付け、独自のルートで配送することで、新鮮な国産天然魚をより安く提供している。115の漁港・漁協との直接仕入れが価格維持のポイントになっている。
また、同取り組みでは端材の有効活用や低利用魚の活用にも注力。例えば、「旬の海鮮丼」はいくらやマグロといった比較的高級な食材も使用しながらも、日によってその他の内容を変えることで安さを維持している。
「くら寿司では、おいしいのに量の確保や認知の少なさ、流通などの問題であまり市場に出回っていない『低利用魚』を積極的に活用しています。そのため、シイラやボラなど珍しい魚が入っていることもあります」(広報担当者)
バラエティにも評価
サラリーマンのランチだけではなく、若者〜高齢者まで幅広い層が利用している。くら寿司を普段から利用している層がランチも利用しているケースが多く、「今日は寿司ではなく丼にしよう」「今日は丼ではなくうどんにしよう」など、気分に合わせて使い分けているらしい。
利用者からは「ボリュームがあるのに、リーズナブルでコスパが良い」と価格を評価する声だけでなく、「寿司だけでなく、丼があるのは助かる」などバラエティに富んでいることを評価する声も挙がっているという。
「平日限定のかけうどん(165円)とお寿司を数皿食べるのもお得ですし、海鮮丼と天丼合わせて1000円で食べる方もいらっしゃいます。手軽にいろんなメニューを食べられるというのが、支持いただいている理由の1つではないかと考えています」(広報担当)
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