イトーヨーカドー、逆転狙った「幕張店」の今 再建のカギはドラッグストア化!?:長浜淳之介のトレンドアンテナ(4/6 ページ)
イトーヨーカ堂の苦戦が続いている。衣料品の不振などが響いた。幕張の新モデル店で思ったような成果が出なかったことも背景にあると筆者は指摘する。
新モデル店の概要
イトーヨーカ堂は実際に、食品スーパーと医薬品や生活雑貨を中心としたライフスタイルストアが融合した店舗の構築に踏み出すことになる。その新業態1号店が、22年7月6日にリニューアルオープンした、千葉市花見川区にある幕張店だ。
幕張店は衣食住を1階のワンフロアに集約した、イトーヨーカ堂としては首都圏初の店舗だ。衣と住に関する売場面積は改装前より約3割縮小、アイテム数は陳列をかさ上げして約2割減にとどめ、坪効率の改善を目指している。
ターゲットとしては、30〜40代の子育て世帯にフォーカスした。
周知の通り、幕張はイオンの本社がある、イオングループの本拠地。「イオンモール幕張新都心」「イオン海浜幕張店」「マックスバリュエクスプレス幕張店」など、イオン系列の店舗が数多くある。
そうしたイオンの牙城で、新しいショップの在り方を提案するのだから、セブン&アイの幕張店にかける意気込みが伝わってくる。
さて、イトーヨーカドー幕張店は、1〜2階が売場、3階が駐車場。駐車できる台数は平面と立体の駐車場を合わせて1401台となっており、ロードサイドのスーパーとしては、十分な駐車スペースを有している。売場面積は3133坪だ。
従来の店舗では、衣料品、住関連の商品売場は2階にあったが、顧客が駐車場のある3階からエレベーターで1階に直行してしまうため、2階が閑散としてしまっていた。そこで、1階に衣食住に関連する全ての商品を集めて、ワンストップで買い回れる利便性の高い売場を目指した。
2階には、「ニトリ デコホーム」「ダイソー」「ロフト」など、集客力ある実力派の生活雑貨を中心に専門店をそろえた。
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