ChatGPTの登場によって、オペレーターは不要になるのか:敵か味方か(1/4 ページ)
AIの発展によって、さまざまな業界でその活用が見直されています。コンタクトセンターのオペレーターについては、業務そのものがなくなるのではないかといった声も。これからのコンタクトセンター業界における人間とAIの共同作業について考察します。
近年、AI技術の普及に伴い、さまざまな業界でその活用が見直されています。特に、コンタクトセンターなどのカスタマーサポート業務に対しては、AIを活用することで効率化やコスト削減が期待されますが、一方で、業務そのものがなくなるのではないかという危機感も持たれています。今回は、これからのコンタクトセンター業界における人間とAIの共同作業について考察します。
コンタクトセンターオペレーターの敵か味方か?
近年のAI技術の進化により、コンタクトセンター業務でもAIが人間の業務を助けることができるようになりました。例えば、AIチャットボットを利用した問い合わせ対応やFAQの自動生成など、多くの事例が報告されています。これらの導入により、人間のオペレーターはより複雑で付加価値の高いタスクに専念できるようになりつつあります。
特に今、世間をにぎわせているChatGPTのようなLLM(大規模言語モデル)の登場で、その影響範囲は一気に広がることが期待されています。では、コンタクトセンターに関わるオペレーター業務は、新しい革新的な技術でなくなってしまうのでしょうか?
結論、コンタクトセンターのオペレーター職はなくならない、と考えています。「AIによってなくなる職業」というようなテーマが定期的に盛り上がりますが、ビジネスシーンには必ず責任の所在の問題もあり、その議論自体が生産的なものではないと感じます。
より重要なポイントは、人とAIがどのように共同作業を進めていけるかです。「職業そのもの」よりも「タスクベース」で、「AIが完全に代替できるもの」「AIが補完してくれるものもある」ということを考え、未来は切り拓かれていくのではないでしょうか。
ChatGPT以前も、CTIやIVR、チャットボットやボイスボットなど、AIが一部のタスクを人間の代わりに実行してくれたり、人間のタスクをスムーズに進めるサポートの役割を担ってくれたりしていました。新しい技術は、自動化やサポートしてくれる対象のエリアが広がりそうだ、という捉え方で向き合っていくのが健全です。
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