運動嫌いが企画した「ソフトクリームが食べられるジム」の甘くない戦略:快活CLUBがジムに参入(4/4 ページ)
フィットネスジム業界に、異色の新顔が現れた。インターネットカフェ最大手の「快活CLUB」が、店舗内にジムエリアの導入を進めている。なぜ、快活CLUBの店舗内にジムを作ろうと思ったのか? 勝算はどこにあるのか? 話を聞いた。
「ネットカフェに行こう」から「快活CLUBに行こう」へ
現在、快活CLUBは全国に約500店舗ある。これまではチェーンストア理論に則って、同じコンテンツを同じ品質で提供することを目指してきた。しかし、これからは店舗ごとのコンテンツに個性を出していきたいという。
「店舗数が増えたことにより、『5キロ先に同じコンテンツをやっている店舗がある』という場所も多いです。これからさらに店舗やシェアを増やしていくには、A店ではネットカフェとカラオケ・ダーツ・ビリヤード、隣のB店ではネットカフェとフィットネス、というようなバリエーションを設けて、商圏内で新しい売り上げを作っていきたいです。お店ごとの特徴と役割を分けて、お客さまの層を増やし、家族内でのシェアを高められたらと思います」
その背景には、ネットカフェ市場の限界もある。快活CLUBはネットカフェ市場内でシェアを伸ばしているが、ネットカフェ自体の市場規模は2012年を境に年々減少している(参考記事)。この状況を打破するために「ネットカフェとは何か」にとらわれない運営形態を探していく。
「例えば、マクドナルドに行くときに『ハンバーガー屋に行こう』ではなくて『マックに行こう』と言うと思います。ニトリに行くときも『家具屋さんに行こう』『生活雑貨屋さんに行こう』ではなくて『ニトリに行こう』。快活CLUBも『ネットカフェの快活CLUB』『複合カフェの快活CLUB』という枠にとらわれず、『快活に行けばこういうことができる』というイメージを作っていきたいと考えています」と中川さんは意気込む。
ネットカフェ業界とは対照的に、フィットネス業界の市場規模は年々増えている。ネットカフェ内にジムを設けるという異色の取り組みは、どのような結果をまねくのか。「ゆるっとフィットネス」を掲げるジムの背景には、ゆるくない戦略があるようだ。
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