運動嫌いが企画した「ソフトクリームが食べられるジム」の甘くない戦略:快活CLUBがジムに参入(3/4 ページ)
フィットネスジム業界に、異色の新顔が現れた。インターネットカフェ最大手の「快活CLUB」が、店舗内にジムエリアの導入を進めている。なぜ、快活CLUBの店舗内にジムを作ろうと思ったのか? 勝算はどこにあるのか? 話を聞いた。
「玄人でも、ジム後にソフトクリームを食べる」に商機
まだ3店舗しか運営していないジムエリアだが、勝算を見込む理由があると中川さんは話す。それは「筋トレの玄人でも、ジム後にソフトクリームを食べる」というデータがあるからだ。
快活フロンティアは、会員制フィットネスジムの『Fit24』も運営しており、114店舗あるうちの半数が快活CLUBと併設している。併設店舗の顧客動向を調べると、帰りに快活CLUBに寄ってソフトクリームを食べて帰る客が一定数いることが分かった。
「Fit24では、毎日のようにトレーニングする人も多いです。そんなFit24のお客さまにもソフトクリームは需要があるので、初心者の方はさらにもっとゆるくフィットネスをしたいのではないかと思います」と中川さんは説明する。
こうしたデータからも、前後に快活CLUBで漫画を読んだり、ソフトクリームを食べたりできる快活CLUB内でのフィットネスに需要があるのではないかと考えた。
ネットカフェに少ない女性客を取り込む
顧客側のニーズだけでなく、快活CLUBの客層を広げる狙いもある。
快活CLUBは基本的に、座ったら動かないような「静」のコンテンツで成り立っている。カラオケやダーツ、ビリヤードもあるが、あまり大きく動くものではない。これまでとは真逆の「動」コンテンツであるフィットネスを取り入れることで、新規顧客の獲得を見込んでいる。
中川さんは「客層を広げていかないといけない、という意識があります」と説明する。
「快活CLUBはヘビーユーザーの方が多く、既存のお客さまが95%で、新規のお客さまが5%しかいらっしゃいません。特に近年増えてはいるのですが女性のお客さまが少なく、まだ全体の20%ほどです。消費力の高い女性に来ていただけていないのが課題なので、今回の初心者向けフィットネスで解決してほしいポイントです」
関連記事
- “スーツ姿の客”がネットカフェに急増 カギは「PCなし席」と「レシートの工夫」
コロナ禍で夜間の利用者が激減し、インターネットカフェ業界は大きな打撃を受けた。そんな中、トップシェアを誇る「快活CLUB」では、昼にテレワーク利用客を取り込むことに成功、売り上げを復調させた。そのカギは「PCなし席」と「レシートの工夫」にあるという。どういうことかというと……。 - 快活CLUB「30分290円」のジムを拡大 ジム帰りの漫画・ソフトクリームに商機
快活フロンティアは、インターネットカフェ「快活CLUB」内にフィットネスジムを併設した店舗を拡大すると発表した。「気軽に体を動かしてみたい」というトレーニング初心者の需要を狙う。どのようなジムなのか? - 「課長まで」で終わる人と、出世する人の決定的な差
「『課長まで』で終わる人と、出世する人の決定的な差」とは何か? がむしゃらに働いても、出世できる人とそうでない人がいる。その明暗を分けるたった1つのポイントを、解説する。 - アマゾンで増える「送料ぼったくり」被害 “誰だって気づくはず”の手口のウラ側
Amazonで“ぼったくり”な送料を設定する業者から、意図せずに商品を購入してしまう被害が後を絶たない。一見単純なシカケに、引っ掛かってしまう人が少なくないのはなぜなのか? “誰だって気づくはず”の手口のウラ側を探り、問題の本質に迫る。 - Z世代が「古い!」と思う仕事の価値観 「飲みにケーション」「プライベートより仕事優先」を上回る1位は?
Z世代が「古い!」と感じる仕事の価値観とはどのようなものか? キーボードアプリ「Simeji」を提供するバイドゥが、Z世代を対象に調査した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.