「サブスクを解約したい」から逆転の発想 ヤッホーブルーイングが「お祝いサービス」を始めたワケ:3分インタビュー(3/3 ページ)
「よなよなエール」「正気のサタン」といったクラフトビールで知られるヤッホーブルーイングが、「隠れ節目祝い by よなよなエール」という企画をスタートした。企画のきっかけは「解約したい」という連絡だったという。担当者に詳しい話を聞いた。
あえて商品化しなかったワケ
――応募してきた方や、応募の内容に特徴はありますか?
河津さん: 当初の見立て通り、子育て世代の30〜40代の応募が多数です。女性からの応募はもちろん、旦那さまが奥さまのために応募してくるケースも多々ありました。
また、「あなただけの卒業乾杯セット」は応募者の年代が幅広く、特に定年を迎える60代からの応募が多数がありました。20代ですと、転職や引っ越し、入籍といった内容が多いです。
――この隠れ節目祝いは無料で、いわばヤッホーブルーイングからのプレゼントという形ですよね。サービスとして商品化しなかったのはなぜですか?
渡部さん: クラフトビール市場は、コロナ禍での家飲み需要を追い風に、伸長しています。弊社の売り上げも2019年から約30%増加するなど好調です。この好調を支えているのが購買層の半数以上を占める30〜40代であり、子育て世代なのです。ですが子育て世代は、前述の通り、一時的にビールから離れてしまう傾向がありました。
そうした30〜40代が「またビールも飲もう」となった時に弊社に戻ってくれるよう、また新しいファン層を獲得するためにも起爆剤になるような企画が必要だったのです。ですので、最初から売り上げを立てるための施策ではありませんでした。
――今後の展望について教えてください。
河津さん: 応募者の方からは、「毎年やってほしい」という声とともに、「抽選ではなく商品化してほしい」という声も多数いただいています。今回の応募は12月末までですので、来年以降この企画をどうするかは、反応を見ながら検討していきます。
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