「サブスクを解約したい」から逆転の発想 ヤッホーブルーイングが「お祝いサービス」を始めたワケ:3分インタビュー(2/3 ページ)
「よなよなエール」「正気のサタン」といったクラフトビールで知られるヤッホーブルーイングが、「隠れ節目祝い by よなよなエール」という企画をスタートした。企画のきっかけは「解約したい」という連絡だったという。担当者に詳しい話を聞いた。
想定の5倍以上の応募が殺到
――この企画を開始するきっかけは何でしょうか?
河津さん: 弊社ではクラフトビールの定期便サービスを行っているのですが、その契約を、妊娠を機にやむを得ず解約されるお客さまが多数いたことです。
そういったお客さまは一時的にアルコールから離れるものの、好きだったビールを再び飲める日を楽しみにしており、卒乳をしたタイミングなどで再開していることが分かりました。こうしたお客さまのために何かできないかと考え、今回の企画を立ち上げました。
――隠れ節目のラインアップは育児が中心ですね。なぜこの構成にしたのですか?
河津さん: 弊社は社員の半分が子育て経験者であり、自分たちの実体験から「ビールは子育てと密接な関係がある」と気付きました。卒乳のような子育てのタイミングは目立たないけれど、30〜40代の子育て世代にとっては大切な人生の節目です。仕事に家事に忙しい子育て世代に、この企画を通して「ゆっくりとこれまでを振り返る時間」を提供できればと思いました。
もちろん、子育てに関するもの以外にも、人生には隠れた節目がいくつもあります。そのため、どんな隠れた節目に対してもお祝いするセットとして、「あなただけの卒業乾杯セット」を用意しました。
――応募の反響はいかがでしたか?
河津さん: 5000セットを用意したのですが、開始前は正直余るのではないかと思っていました。ですが予想をはるかに超え、現時点で2万5000件の応募をいただいております。そこで急きょ4000セット追加することを決定しました。
関連記事
- 脱げない靴下をつくりたい――と考案した「はかないくつした」が話題 逆転の発想はどう生まれたのか
「靴下のかかとが脱げやすいなら、いっそなくせばいいのでは?」――そんな思い付きから生まれたのが、ナイガイ(東京都港区)の「はかないくつした SUASiC(スアシック)」(1足880円)だ。 - オートミールを茶碗によそって箸で食べる!? 日本市場を狙うケロッグの意外すぎる作戦
日本ケロッグは9月15日、「粒感しっかり オートミールごはん」を発売した。同社の執行役員でマーケティング本部長の山田実さんによれば、日本のオートミール市場規模はこの4年で約10倍以上に急成長しており、2021年は623億4000万円にのぼるという。この急拡大は、オートミールならではの食べ方「米化」が要因だ。 - 「セカンド冷凍庫」が一躍人気になっている“なるほど”な理由 シャープに聞いた
「セカンド冷凍庫」が注目を集めている。家にもう1台冷凍庫を置くというと、部屋が手狭になるなどマイナスな印象を受けるかもしれないが、直近2年間で国内出荷台数は2倍近くに急増。人気の背景には、食品買いだめやコストコなど大容量商品の人気上昇のほかにも、追い風があるようだ。詳しい理由をシャープに聞いた。 - もはやオシャレ家電? 人気の「セカンド冷凍庫」しのぎ削るメーカー、焦点は2つ
食品買いだめやコストコなど大容量商品の一般化、ふるさと納税の返礼品などを追い風に、人気上昇中の「セカンド冷凍庫」。各社の人気セカンド冷凍庫を分析すると、ある特徴が見えてくる。キーワードは、「スリム」と「大容量」だ。 - 異例の350万本突破 リップモンスターが口紅市場で“モンスター級”になれた理由
コロナ禍により、化粧品市場は大きな打撃を受けた。2020年は6670億円(前年比88%)と大きく落ち込み、21年もほぼ同水準となった。最大の要因はメークアップ化粧品で、特にファンデーションや口紅など、マスクを着用すると崩れたり隠れたりしてしまうカテゴリーの落ち込みが大きくなっている。こうした状況にあって、累計販売本数が350万本突破するほどの人気商品となっているのが、KATEの落ちにくい口紅「リップモンスター」だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.