バーガーキングがまたやらかした なぜマクドナルドを“イジる”のか:スピン経済の歩き方(2/6 ページ)
バーガーキングがまたやらからしている。広告を使って、マクドナルドをイジっているのだ。過去をさかのぼると、バーガーキングは絶対王者マックを何度もイジっているわけだが、なぜこのような行動をとるのか。海外に目を向けても同じようなことをしていて……。
私たちの勝チ
有名なのは、20年に勃発した「昭和通りの乱」である。1月31日、22年にわたって営業をしていたマクドナルド秋葉原昭和通り店が閉店することとなった。店頭には「22年間のご愛顧ありがとうございました」という大きな垂れ幕が設置され、そこには別れを告げるドナルドの後ろ姿と「See you」の文字が記されていた。
すると、ほどなくして、この店の目と鼻の先にあるバーガーキングが動く。なんとこの垂れ幕をパクったデザインで、「22年間たくさんのハッピーをありがとう」という垂れ幕を店頭に掲げたのである。
こちらはドナルドの代わりにバーガーキングの店員が頭を下げて、「Thank you」の文字が記されている。そう聞くと、ライバルが労をねぎらった「美談」のように聞こえるだろうが、実はそうではない。この垂れ幕の中で、マクドナルドへのメッセージが綴られていて、これを一番左側の文字を「縦読み」すると、こんな言葉が浮かび上がる。
「私たちの勝チ」――。
閉店するマックに「お疲れさま」と言っている風で、実は勝利宣言というなんともウイットに富んだこの広告は大きな話題になった。
だが、バーガーキングのイジりはこれで終わらない。この騒動からおよそ2年後の22年4月1日、マクドナルド秋葉原昭和通り店が、新しいビルで規模も大きくなって復活したのだ。
この強烈なカムバックを受けて、バーガーキングが再び店頭に大きな垂れ幕を掲げる。そこには「私たちの価値」という言葉とともに、看板商品「ワッパー」の写真が掲載されているのだが、やはりメッセージの一番右側の文字を縦読みすると、「店のデカさよりだいじなこと。」となる。要するに、大型店舗で復活したマックに対して皮肉を述べているようにも取れるのだ。
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