バーガーキングがまたやらかした なぜマクドナルドを“イジる”のか:スピン経済の歩き方(4/6 ページ)
バーガーキングがまたやらからしている。広告を使って、マクドナルドをイジっているのだ。過去をさかのぼると、バーガーキングは絶対王者マックを何度もイジっているわけだが、なぜこのような行動をとるのか。海外に目を向けても同じようなことをしていて……。
世界中で「マックVS. バーガーキング」
この広告がつくられた当時、フランス国内ではマックのドライブスルーは1000店舗以上あったのに対して、バーガーキングは20店舗ほどしかなかった。少なさをイジっているわけだ。
ただ、これにバーガーキングが「アンサー動画」で反撃する。ドライブするカップルが、この2つの看板を見て、5km先のマックに行く。しかし、彼らはそこでハンバーガーは注文せずに、店員に「これからロングドライブだから」と言って、Lサイズのコーヒーだけを購入する。そして、コーヒーを飲みながら向かった先はバーガーキング。画面にはこんな意地の悪い“感謝”の言葉が浮かぶ。
「ありがとう、マクドナルド。どこにでもあってくれて」
まさしく先ほどの「昭和通りの乱」ではないが、こっちは店舗数の多さではなく、ハンバーガーのおいしさで勝負してんだよ、と言わんばかりなのだ。
このような世界各地で繰り広げられる「マックVS. バーガーキング」のイジり合戦を見てみると、日本のバーガーキングの戦い方がこうなるのも納得ではないか。
ただ、個人的には日本のバーガーキングがマックをイジる戦略には、もう一つ隠れた狙いがあるのではないかと思っている。それはマックの知名度に便乗したいとか、バズらせたいというような次元ではなく、マックとガチンコ勝負をして、マックの店を減らしていくという狙いだ。
ご存じの方も多いだろうが今、バーガーキングは急速に店舗を増やしている。ここ4年で店舗数を順調に増やし続けており、この春にも出店攻勢は止まらず、4月26日には全国188店舗になるという。
素晴らしいことだが、この勢いは必ずブレーキがかかる。というよりも、かけなくてはいけない。「いきなり!ステーキ」が急速に店舗数を拡大した後に、失速してしまったように毎年、鳥取県と同じくらい人口が減っていくこの日本において、かつて外食では常識だった「拡大路線」は破滅への一本道なので、どこかで「自制」しなくてはいけない。
それを象徴するのがマクドナルドだ。
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