ミニストップ「おにぎり100円」終了の衝撃 あえて具材増量に踏み切ったワケ:長浜淳之介のトレンドアンテナ(3/4 ページ)
ミニストップが「おにぎり100円」(税込108円)をやめた。差別化につながるポイントで、さまざまなメリットがあったはずだった。どうして値上げに踏み切ったのか。
コロナで激変
このように良いことばかりだったおにぎり100円だったが、コロナ禍に入って顧客のニーズが変わり、実情と合わなくなったという。
非接触が求められて、運動会やお祭が開催されなかったというのもあるだろう。しかし、同社によれば、それでおにぎり100円をやめたのではない。
「もっと良いもの食べたいと、消費者は考えていました。従来よりもおいしい海苔を使い、具材も増量して、値段相応の価値を提供しようと値上げしました」(ミニストップ広報)。
もちろん、原材料、配送費などのコスト高も背景にあっただろう。それで単純に値上げをするのでなく、それに見合った付加価値を付けたともいえる。
ミニストップでは、22年9月26日の週からおにぎりの新ブランド「おにうま!」を立ち上げた。ミシュランガイドで一つ星を獲得した、東京・代々木上原「sio」オーナーシェフ鳥羽周作氏による監修の「手巻 漬けだれで味わうネギトロ」(151円)、「手巻 万能だれで味わう牛焼肉」(162円)の2品を発売。
その他のおにぎりもリニューアルをして、新価格で順次販売するように切り替えていった。現状ボリュームゾーンは130〜140円となっている。
以前から販売していた酢飯のすしおにぎりや、海苔を巻かない丸のままのおにぎりなども含めて、多彩なバリエーションでおにぎりの魅力を伝えたいとのことだ。
「値上げをして、おにぎりの販売数は若干落ちましたが、想定内」(ミニストップ広報)。とはいえ値上げを気にしているのか、3月31日から4月6日まで、「紀州南高梅」「北海道産昆布」「ツナマヨ」の3商品は、期間限定で本体価格100円セールを行っている。
さらに、従来より好評だった店内加工のおにぎりにも、より一層力を入れていくという。
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