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WBC決勝が歴代1位に Amazonプライム・ビデオ責任者に聞く「スポーツ中継の勝算」動画配信の戦国時代(1/4 ページ)

3月に「2023 WBC」で、侍ジャパンの強化試合2試合と本戦の全試合をライブ配信したアマゾンジャパン。ネットの有料サービス視聴の垣根を低くするきっかけを、多くの人に作ってきた。児玉隆志プライム・ビデオ ジャパンカントリーマネージャーに今後の戦略を聞いた。

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 Amazonプライム・ビデオは4月8日、キックボクシングで「神童」と呼ばれた那須川天心のプロボクシングデビュー戦を「Prime Video Presents Live Boxing」第4弾として独占ライブ配信する。

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Amazonプライム・ビデオは那須川天心のプロボクシングデビュー戦を「Prime Video Presents Live Boxing」第4弾として独占ライブ配信

 これまでスポーツ中継と言えば無料地上波放送が中心だった。その中でプライム・ビデオは、Amazonプライムの会費を払った人がインターネットを経由してテレビやスマートフォンなどから観(み)るという日本にとって新しい視聴スタイルを提供している。

 3月には「2023 WORLD BASEBALL CLASSIC」(2023 ワールド・ベースボール・クラシック、2023 WBC)で、侍ジャパンの強化試合2試合と本戦の全試合をライブ配信した。スポーツ中継のネット視聴が一気に進んだ好事例だろう。

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2023 WORLD BASEBALL CLASSIC決勝

 他社を見ると、サイバーエージェントが運営する「ABEMA」が 「2022 FIFAワールドカップ カタール」をネットで全試合無料放送した。同社は格闘技の分野でもPPV(ペイパービュー、有料コンテンツに料金を支払って視聴するシステム)での試合中継も展開している。まさにネットによるスポーツ中継の市場は群雄割拠の状況だ。

 筆者が最も印象的だったのは22年4月に「Prime Video Presents Live Boxing」の第1弾として放送した、ボクシングのゲンナジー・ゴロフキン対村田諒太のミドル級王座統一戦だ。アマゾンジャパンがネットの有料サービス視聴の垣根を低くするきっかけを、多くの人に作ったように思われる。

 同社の児玉隆志プライム・ビデオ ジャパンカントリーマネージャーに戦略を聞いた。

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児玉隆志プライム・ビデオ ジャパンカントリーマネージャー

WBCは想定を超える視聴者数

 プライム・ビデオは3月22日のWBC決勝戦が、日本での配信初日の視聴者数として歴代1位を獲得したと発表した。実際にはどのような人たちが視聴したのだろうか。

 「老若男女問わないですね。プライム・ビデオを視聴されている方で、『特にこのカテゴリーを多く観る方が視聴した』というのではなく、コンテンツのセグメントは関係なしに横断的に観られていました」(児玉氏)

 かつて米メジャーリーグは、米国の「National Pastime=国民的娯楽」と言われていた。WBCが日本での配信初日の歴代視聴者数1位を獲得したということは、日本にとって野球は依然として「国民的娯楽」の位置にあることを再認識させたと言っていいだろう。これだけの視聴者数は、アマゾンとしても予想を超えるものだったと話す。

 「スポーツコンテンツは不確実性が高いのですが、WBCでは選手の素晴らしいプレーだけではなく、ラーズ・ヌートバー選手のパフォーマンス、大谷翔平選手が感情をあらわにするシーンなど、エンターテインメントとしての質も上がっていったと思います。決勝など米国での試合は平日の通勤時間帯でした。そういった状況が重なるなど、結果として、誰も予想ができないネット視聴独自の需要が出たのだと考えています」(児玉氏)

 今はスマホがあれば、いつでもどこでも動画を視聴できる環境が整った。10年前ではありえなかった状況だ。この新しい視聴文化は、どうなっていくと推測しているのか。

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