オーブンレンジ「EVERINO」が好調 象印マホービン、なぜ17年ぶりに投入したのか:あの会社のこの商品(6/6 ページ)
象印マホービンがオーブンレンジを発売し、レンジ市場に参入した。なぜ競争の厳しいレンジ市場に参入したのか? 参入背景などを企画担当者に聞いた。
25年度に売り上げ63億円の事業に
発売から23年2月までの半年間のEVERINOの売れ行きは、計画比の120%(金額ベース)。分かりやすく独創的な機能を搭載していることなどから売りやすいと評価され、大手の家電量販店ではもれなく定番として並べてもらえた。
好調なスタートが切れた要因の一つに、発売前から積極的にプロモーション活動を行ったことがある。テレビCMのイメージキャラクターに女優の木村佳乃さんを起用し、発売前の7月30日から流し始めた。業界でもレンジ単体のテレビCMは珍しいが、「インパクトは大きかったです」と稗田氏は話す。
SNSも効果的に活用した。発売を報道発表した22年7月27日より前に、象印マホービンの公式Twitterアカウントで9月に新商品(=EVERINO)を発売することを予告。シルエットを見せたり何が発売されるかを当てた人に商品をプレゼントするキャンペーンを実施したり(現在は終了)と話題を提供し、発売を盛り上げるのに一役買った。
発売時は76だったEVERINOのレシピも、現在107にまで増加。今後も随時、新レシピを追加していく。
追加されたレシピの中には、SNSで多くのフォロワーを持つ人気料理研究家の山本ゆりさんとしにゃさんが考案したものも含まれている。本体下部から引き出すと現れるメニューボードのQRコードを読み取ると、同社のHPで紹介されているEVERINOを使ったレシピにアクセスできる。
EVERINOは今後、サイズ展開を加速し、バリエーションを増やしていきたい考え。23年度から始まった同社の中期経営計画「SHIFT」でも電子レンジ事業の強化を掲げており、25年度の売り上げ目標を国内63億円としている。
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