オーブンレンジ「EVERINO」が好調 象印マホービン、なぜ17年ぶりに投入したのか:あの会社のこの商品(5/6 ページ)
象印マホービンがオーブンレンジを発売し、レンジ市場に参入した。なぜ競争の厳しいレンジ市場に参入したのか? 参入背景などを企画担当者に聞いた。
使い終わったら設定がリセットされる理由
加熱することから安全性にも十分配慮。どのモードで使い終わっても自動モードにリセットするようにした。これにより、レンジモードとオーブンモードを間違えて使ってしまい、器が溶けたり発火したりするのを避けられるようになっている。
「オーブンレンジを使っていただく際、レンジで温めるつもりがオーブンになっていることに気づかず使ってしまうことがあります。そういったことが起こらないよう、使い終わったら設定をリセットし、誰が使っても安全なものにしました」(稗田氏)
次に使う人が万が一モードを確認することなくスタートボタンを押してしまっても、自動モードによりレンジで温めるだけにした。
こうした特徴を持つEVERINOの開発は、過去の資料が社内にまったく残されていなかったため、全部手探りで進めざるを得なかった。「設計基準も一からつくらなければならなかったほどです」と稗田氏は振り返る。
また、レシピづくりも手数がかかった。STAN.ブランドから発売するオーブンレンジのものも含め、まず92のレシピを用意したが、決まるまでに考えたレシピは約2000通りに及んだほど。レンジ、オーブン、グリルといった基本機能を使ってつくるもののほか、うきレジやレジグリといった機能でつくるものも考えなければならない。慣れないところにきて特徴的な機能を生かすレシピづくりは頭を悩ませた。
例えば、「塩さば」はレジグリにより4切れが12分でできる。レンジ(600ワット)で5分加熱し、グリルで7分焼くが、社内に何一つ過去の資料が残っていなかったので、レンジでの加熱時間、グリルで焼く時間を決めるのも容易ではなかった。
EVERINOのレシピ開発は常にこのような感じで、同じ庫内容量26リットルの競合品を参考にしながら、最適な加熱時間や焼き時間を決定。発売直前までレシピ開発に追われた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
バーガーキングがまたやらかした なぜマクドナルドを“イジる”のか
バーガーキングがまたやらからしている。広告を使って、マクドナルドをイジっているのだ。過去をさかのぼると、バーガーキングは絶対王者マックを何度もイジっているわけだが、なぜこのような行動をとるのか。海外に目を向けても同じようなことをしていて……。
ちょっと前までブームだったのに、なぜ「高級食パン」への風当たりは強いのか
どうやら「高級食パン」のブームが終わるようだ。最近、さまざまなメディアがこのように報じているわけだが、なぜ「高級食パン」への風当たりは強いのか。その背景には、2つの理由があって……。
丸亀製麺は“讃岐うどん”の看板を下ろしたほうがいい、これだけの理由
またまた炎上した。丸亀製麺が讃岐うどんの本場・丸亀市と全く関係がないことである。このネタは何度も繰り返しているが、運営元のトリドールホールディングスはどのように考えているのだろうか。筆者の窪田氏は「讃岐うどんの看板を下ろしたほうがいい」という。なぜなら……。
「乃が美」と「いきなり!ステーキ」の共通点は何か 両社がハマった沼
「乃が美」と「いきなり!ステーキ」が苦戦している。贅沢品を扱う両社はなぜ低迷しているのか。共通点を探してみると……。
キユーピーの「ゆでたまご」が、なぜ“倍々ゲーム”のように売れているのか
キユーピーが販売している「そのままパクっと食べられる ゆでたまご」が売れている。食べことも、見たことも、聞いたこともない人が多いかもしれないが、データを見る限り、消費者から人気を集めているのだ。なぜ売れているのかというと……。

