続く閉店ラッシュ…… 生き残る「和菓子店」は何が違う? プロが注目する京都の有名店:長浜淳之介のトレンドアンテナ(3/7 ページ)
コロナ禍で有名な老舗和菓子店の閉店が相次いでいる。その一方で、革新的な商品を次々と生み出すお店もある。プロが注目する京都の繁盛店とは?
スナックやビスケットは伸長
全日本菓子協会では「e-お菓子ねっと」という、菓子類の製造販売に関する統計を公表している。
この資料によれば、和生菓子の20年における小売金額は3960億円で前年比85.2%となっている。しかし、22年には4703億円まで持ち直している。
米菓(もち米製あられ、うるち米製せんべい)の20年における小売金額は3729億円(前年比97.9%)と著しくは落ちなかった。22年はさらに減って3626億円となっている。コロナ以外に苦戦の原因がありそうだ。
せんべい(小麦粉せんべい)の20年における小売金額は544億円で前年比75.0%。4分の1も売り上げが減ったのでは、倒産する企業が続出する。22年は694億円にまで持ち直しているが、体力がなければ苦しい。
洋菓子分野に視点を移せば、コロナ禍にもかかわらず売り上げが伸びた分野がある。スナック菓子は20年の小売金額が4557億円で前年比101.8%。22年は4768億円まで伸びた。
ビスケット(クッキー、クラッカー、プレッツエル、パイを含む)は、20年の小売金額が3805億円で前年比101.1%。22年は3980億円に伸びている。
スナックやビスケットは、コロナ禍にかかわらず市場が拡大していて、このあたりに和菓子の新製品開発のヒントがありそうだ。
ちなみに、e-お菓子ねっとによれば菓子全体の市場規模は、20年は3兆2242億円、前年比94.0%と算出している(小売ベース)。22年は3兆4361億円に増加しており、同協会では値上げもあってほぼコロナ前の水準に回復したと判断している。
3月13日には、政府よりマスクの着用が室内外を問わず、個人の判断に委ねられることになり、コロナ禍がようやく終わりつつある雰囲気が醸成されてきた。
和菓子店は、どのようにして苦境を脱しようとしているのだろうか。
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