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続く閉店ラッシュ…… 生き残る「和菓子店」は何が違う? プロが注目する京都の有名店:長浜淳之介のトレンドアンテナ(5/7 ページ)
コロナ禍で有名な老舗和菓子店の閉店が相次いでいる。その一方で、革新的な商品を次々と生み出すお店もある。プロが注目する京都の繁盛店とは?
学生とのコラボ菓子がヒット
東京・多摩地区の日野市にほぼ同じ屋号の「紀の國屋」という和菓子屋があり、武蔵村山市に本社があった紀の国屋が廃業した際には、問い合わせが殺到した。紛らわしいが、こちらは廃業した紀の国屋とは全く関係がない別会社。創業が1961年で、21年に60周年を迎えている。
店舗は、日野市内に3店と青梅市に1店の計4店がある。「かりんとう饅頭」が名物で、表面のカリっとした食感は、かりんとうを思わせるものだ。
紀の國屋の商品は革新的で、もう1つの看板商品「黄金杯」はパイ生地の饅頭で、発酵バターを100%使った香ばしい風味が売り。洋菓子の要素を取り入れている。
また、「まん福」は秋から翌春にかけての限定商品で、生地に国産の紫芋パウダーを練り込んだ紫色の大福。サツマイモのスイートポテト餡が特徴で、乳製品は使わず豆乳を使っており、糖質を抑えて品良く仕上げている。生地は岩手県紫波町産のもち米「ヒメノモチ」、サツマイモは日野市産、豆乳は日野市の豆腐店「三河屋」の製品を使用している。
日野市と紫波町の姉妹都市提携5周年を記念して、22年1月に発売。紫波町内でも販売された。童謡『たきび』の作者、巽聖歌の出身地が紫波町、晩年の居住地が日野市だったことから市民の交流があった。同年5月までの間に4万〜5万個を販売するヒットとなった。商品は日野市内に本部を置く明星大学経営学部の学生のアイデアが元になっている。
このように地元に密着したお菓子づくりを実践し、紀の國屋は人気を保っているのだ。
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